タクミシネマ      おとなの恋には嘘がある

 おとなの恋には嘘がある
監督

 54才のニューヨーク生まれの女性監督が撮っている。女性が解放された後、女性の状況は厳しくなるだろうと予測したが、予想の通りに女性には厳しい状況が襲っている。厳しい状況の中で生きる女性、頑張っている女性たちを励ましている映画である。
 離婚した中年女性の子離れと、恋心のユレを描いてとても説得力がある。高校生の子供が大学進学のために、都会に出て行く。1人取り残される。彼女だってボーイフレンドが欲しい。別れた夫はすでに若い女性と結婚している。特別に美人でもなく、大金持ちでもない女性は、若さを失ったら何に縋っていくのだろう。
 ヒロインはマッサージ師として生計を立てて、子供を高校まで育ててきた。重いベッドを担いで、クライアントの家を廻る。誰も助けてはくれない。男性たちの収入は大きいから、男性が再婚するのは難しくない。自立を選んでしまった女性たちは、稼がなくてはならないが、男も欲しい。かつてはお姫様のように扱ってくれたが、いまでは男女平等だから女性が跪いてプロポーズしなければならないこともある。
 おそらく女性監督自信の体験談か、身のまわりに溢れる話を映画化したのだろう。しかし、自立とは孤独と背中合わせだし、この道を通らなければ開放はないのだ。女性たちよ、頑張れ。頑張る姿は美しい。そう叫びたくなる映画だった。
 監督は女性たちを暖かく見ているというのに、日本の題名は何とひどいのだろう。
 原題は「ENOUGH SAID」 2013年アメリカ映画   (2014.4.7)

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