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映画は最後のところで娯楽だから、誰でも楽しくなる話を期待して、映画館に足を運ぶ。 けれども、映画もまた社会の反映だとすれば、楽しい話ばかりが映画ではない。 農耕社会では、本人の意志や努力ではどうにもならない身分によって差別され、身分と本人の意志との狭間で人は呻吟した。
身分で差別されていた時代には、身分が人を守った。 ベン(ニコラス・ケージ)は、優秀なシナリオライターだったがアル中である。 アル中の原因が、個人的な性格によるのではなく、社会的なストレスであることは、もはや誰でも知っている。 思いのほか多額の退職金をもらった彼は、アル中を究めて死ぬためにラスベガスにやってくる。 売春婦である彼女には、誰も精神的な手をさしのべてはくれない。 売春婦とアル中というマイナス者が、その立場をそのまま認めることが、彼らの精神を安定させる。 ベンが売春婦を家に連れてきたので、ついセラは出ていけといってしまう。 死の床にいるベンは、それでも酒を離さない。 もう来ないでくれといわれるシーンが、何度もでてくる。 情報社会の暗部を描いた映画であるが、極めて観念的な展開で、非常に男性的な見方に基づいた映画である。 映像的には、短いカットがいったり来たりする手法を使って、時間が小刻みに前後している。 動物のように、素肌と素肌を触れ合って一緒にいる、そのことが癒しである。 1995年のアメリカ映画 | ||||||
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