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ユダヤ人監督が、ユダヤ人を皮肉って良いのだろうか? もともとシニカルなコーエン兄弟だったが、歳をとるとルーツに戻るのだろうか。 ほとんどお金もかかっておらず、また主題もよくわからない映画だった。
終身教授になるか否かは、天と地も違いがある。 いま彼は人生の岐路に立たされていた。 ユダヤ人の彼に、次々と問題が襲う。 ラリーの兄アーサー(リチャード・カインド)が居候している。 無職の彼は出て行く気配がない。 娘サラ(ジェシカ・マクマヌス)と、息子ダニー(アーロン・ウルフ)は、思春期特有の問題に悩んでいる。 そんな中、妻のジュディス(サリ・レニック)が別れ話を切り出し、離縁状を書いてほしいと言ってくる。 再婚相手は、友人のサイ(フレッド・メラメッド)だという。 しかも、子供たちのため、ラリーに家を出て欲しいと言われ、モーテル暮らしになる。 ラリーが落第点をつけたアジア系学生が不満を表明、現金入りの封筒をワイロとして研究室に置いていく。 すると、学生の父親から、名誉毀損で訴えてやると抗議を受ける。 そのうち、サイが交通事故で死亡し、彼の葬儀費用を負担することになる。 住宅ローン、モーテルの宿泊代金、事故った車の修理代に加え、高額な弁護士への相談料の請求が来る。 ラビに相談するが、なかなか良い回答は来ない。 泣き面にハチどころか、何匹もハチに刺され、もう死にそうである。 とうとう学生からのワイロに手を付けようとするところで、映画は終わる。 とにかく人生、嫌なことばかり。 本当にままならない。 また、68年にはフランスの5月革命が勃発する。 しかし、この映画は時代背景を一切描かない。 ただ問題が次々に降りかかるだけ。 まじめな彼は問題に押しまくられ、状況に流されていくばかり。 毎度のことながら、古いものがよく保存されているのには感嘆である。 この映画でも、ファッション・小物は言うに及ばず、何十台という古い車が、V8のエンジン音をさせながら、しずしずと登場する。 しかも、3台の玉突き衝突までさせてみせる。 いくら安価な量産車だとはいえ、時代物の車を壊してしまうなんて驚くばかりである。 ほとんど無名の俳優ばかりで、名のありそうな俳優は1人もでていない。 それでも俳優の演技は充分にアベレージに達しており、アメリカ映画界の奥の深さを感じさせる。 しかし、スターというのは一体どこが違うのだろうか。 演技の巧さばかりではないようだ。 と言いつつも、何のために撮られた映画だか、まったく分からなかった。 一種の不条理映画だろう。 A SERIOUS MAN 2009年アメリカ映画 (2011.3.4) |
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