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冒頭に実話だ、と文字が入る。 1980〜90年代に活躍したプロボクサー、ミッキー・ウォード(マーク・ウォールバーグ)とその兄ディッキー・エクランド(クリスチャン・ベール)の物語だと言うから、この頃から家族は分解していたのだ。 なにしろ、兄弟が9人いて、その父親が様々なのである。
にもかかわらず、とても仲が良い。 ミッキーは小さな時から、兄にボクシングを習って、兄を尊敬していた。 兄だってボクサーとして、相当良いところまで行ったのだ。 麻薬がすべてを変えてしまった。 兄は麻薬をやって、いわばゴロツキになっていた。 しかし、自分ではミッキーのコーチ兼トレーナーのつもりでいる。 そのうえ、マネージャー役の母アリス(メリッサ・レオ)がいけない。 ミッキーを伸ばすように対戦相手を組まずに、強い相手と当てて連戦連敗だった。 兄が窃盗の罪で刑務所に入っている間に、恋人シャーリーン(エイミー・アダムス)と出会い、新しいコーチをみつけて芽が出はじめた。 シャーリーンは当然のこととして、母親のアリスと不仲である。 7人の小姑を引き連れた母親の急襲に合うが、彼女はミッキーを守る。 しかし、兄のディッキーが出所してくると、ミッキーはディッキーのコーチを望む。 ここでシャーリーンとの仲も破綻するかと思うが、刑務所で麻薬が抜けた兄は立ち直っていた。 とうとう世界チャンピョンにまで駆け上がる。 マサチューセッツ州の労働者の街ローウェルから、世界チャンピョンが生まれたのだ。 それは伝説になるだろう。 しかし、映画としては特別な主題を展開しているわけではない。 見るべきはクリスチャン・ベールの演技だろうか。 「マシニスト」ほどではないが、グッと体重を落として、ボクサーを演じている。 ミッキーを演じたマーク・ウォールバーグも、映画のなかで太ったり痩せたりしていたので、今では体重のコントロールは当たり前になったのだろう。 クリスチャン・ベールは「アメリカン サイコ」でも鋭い演技を見せていたが、この映画でも自己中で面倒見の良い男を充分に演じていた。 若いせいもあるのだろうが、やや騒々しいキャラクターをあたかも地であるかのように見せていた。 母親を演じたメリッサ・レオも、助演女優賞でオスカーを受賞したが、こちらの演技はよく判らなかった。 クリスチャン・ベールと似たタイプの演技だったからかも知れないが、絶叫が過ぎるように感じた。 実話だと言うが、それにしても、こんな母親と兄を持ったら、さぞ大変だったろう。 そうした中でも、家族愛はきわめて強く、家族の繋がりについて考えさせられた。 原題は「THE FIGHTER」 2010年アメリカ映画 (2011.4.6) |
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