タクミシネマ        アリス イン ワンダーランド

アリス イン ワンダーランド   ティム・バートン監督

 「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」を足したような映画で、小さかったアリスが19歳になっていた。
結婚適齢期になったのアリス(ミア・ワシコウスカ)は、貴族の婚約者からプロポーズを受ける。
しかし、彼女はそれを拒否して、白ウサギ(声:マイケル・シーン)を追いかける。
木の根っこの穴から転げ落ちると、そこは不思議の国だった。

Still of Helena Bonham Carter in Alice in Wonderland
IMDBから

 悪者の赤の女王(ヘレナ・ボナム=カーター)が君臨し、白の女王(アン・ハサウェイ)をはじめ、みな救世主の出現を待っていた。
アリスの登場で、戦いが始まる。
しかし、アリスは自分が救世主だとは知らないし、長年にわたり、不思議の国から離れていたので、本物のアリスかわからない。

 アリスはチェシャ猫(声:スティーヴン・フライ)の案内で、帽子屋マッドハッター(ジョニー・デップ)と出会う。
そして、アリスは赤の女王の城へはいるが、正体がバレそうになる。
<ヴォーパルの剣>を奪って、白の女王のもとへ帰り、鎧に身を固めて怪獣ジャバウォッキーと闘う。


 身体が伸びたり、縮んだりする薬などは、原作のままだ。
原作では、身体の伸縮に合わせて衣類も伸び縮みして、とりたてて衣類には触れてなかったように記憶していた。
しかし、映像では身体は伸縮しても、衣類は連動して伸び縮みしない。
こんなところは、衣類ごと伸縮させても良いように思う。

 原作があまりにも有名だから、3D化するにしても、映画つくりは難しかっただろう。
原作にはカットも入っているが、それでも映像化するには、相当な想像力が必要だ。
赤の女王の姿など、ティム・バートン好みなのかも知れない。
しかし、そうじて無難な処理だった。


 ティム・バートンが監督しているので期待したが、話としてはたわいなく典型的な童話である。
マーズ アタック」のような、シニカルな笑いはない。
役つくりは難しかったと思うが、とくべつに驚くほどではない。
しかし、3Dの進歩は素晴らしく、「アバター」から進んでいた。

 立体感もずっとはっきりしてきており、物が飛びだしてくる感じも、とてもリアルになった。
巻物がスクリーンから飛びだし、観客のほうへ向かってくる。
手を伸ばせば届くような感じで、これからも1作毎に進歩していくのだろう。
 「ALICE IN WONDERLAND」      2010年アメリカ映画 
(2010.05.2)


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