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CIAを風刺したコミック映画なのだろうが、観客はなかなか笑わない。 アメリカの内情を知らないと、面白く感じることができないのだろう。 正直いうと、ボクもあまり笑えなかったのだ。
CIAの下級調査官オズボーン(ジョン・マルコビッチ)が、アル中を理由に、突然にクビを伝えられる。 激興した彼は、自分から辞めてしまう。 その後、CIAを暴露する伝記を書き始める。 そのデーターを入れたCDが、アスレチック・クラブの2人、リンダ(フランシス・マクドーマンド)とチャド(ブラッド・ピット)に渡る。 オズボーンの奥さんケイティ(ティルダ・スウィントン)は、財務省の元保安官ハリー(ジョージ・クルーニー)と本気で不倫中だったが、夫が退職したので離婚へ踏みだす。 ハリーのほうは浮気だったので、たちまち腰が引ける。 にもかかわらず、彼はネットの出会い系サイトで、リンダとも関係ができる。 リンダがCDを手に入れたことから、オズボーンを強請ってお金にしようとする。 オズボーンが拒否したので、ロシア大使館へと持ち込む。 しかし、ロシア大使館の担当者は、CIAから潜入したアメリカ側のスパイだった。 たちまち、CIAへと連絡が入る。 チャドがもっとCDをさがしに、オズボーンの家に侵入すると、ハリーの拳銃で死んでしまう。 チャドの後を追って浸入した同僚テッド(リチャード・ジェンキンス)を、オズボーンが斧で斬り殺すと思えば、それを止めに入ったCIAのエイジェントが、オズボーンを射殺してしまう。 リンダにはCIAが張り付いている。 リンダがCIAと勘違いしたハリーは、ベネズエラへと逃亡する。 事件を闇に葬りたいCIAは、リンダに5万ドルを払って、口封じをして映画はエンドになる。 有名俳優が大挙して出演しており、コーエン兄弟は大人気である。 しかも、ブラピをはじめ有名俳優たちが、お馬鹿な役どころを、嬉々として演じている。 「ノー カントリー」でオスカーをとったので、いまやコーエン兄弟は大監督なのだろう。 しかし、小規模な映画の「ファーゴ」あたりのほうが、妙なおかしさが素直にでていて、ボクは好きだった。 スターというのは絶対に死なずに、最後まで演じるものだが、ブラピが途中で死んでしまうのである。 しかも、いともあっさりと死んで、そのあと省みられることもない。 監督に力=人気があると、俳優は言うがままなのだろう。 登場人物たちは、皆それなりに社会的な地位のある設定だが、全員が不倫している。 オズボーンの奥さんは医者でありながら、不倫相手のハリーとの結婚を考えている。 ハリーは言うまでもないが、童話作家であるハリーの奥さんは、テレビタレントと不倫中で、ハリーと離婚すべく私立探偵を使っている。 人間関係が入り組んでいて、全員が真面目そうでありながら、全員が不真面目で、互いに寝首を掻いているような感じだったが、以外に真面目な人が多かった。 お馬鹿なオズボーンだって真面目だったし、リンダだってチャドだって真面目だった。 女性には目がなかったハリーだって、20年間も保安官をやって、一度も拳銃を撃ったことがないと自慢していた。 そのハリーが事件に巻き込まれるや、たちまち国外逃亡するというのだから、むしろ真面目な人たちのドタバタ・コメディだったのだ。 チャドがCIAの機密というが、オズボーンの原稿がすでに大したものではない、と途中で判ってしまった。 これは興ざめである。 それにロシア大使館でリンダの相手をしたのが、CIAが送り込んでいたスパイだとか、ちょっと無理な展開である。 有名俳優をたくさん使いすぎて、物語の核がなくなってしまったようだ。 2008年アメリカ映画 |
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