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| ニコール・キドマンが撮影2週間目で、膝の怪我を手術するために主役を降りた。 そして、カンヌ映画祭の審査委員長を蹴って、ジョディ・フォスターがその後へ納まったと言われる。 いろいろと話題の多い映画だが、今もっとも油ののっている監督では、出演者たちが色めき立つのは当然だろう。
ニューヨークの高級住宅街での話。離婚したメグ(ジョディ・フォスター)はサラ(クリスティン・スチュワート)を連れて、大きなアパートに移り住んだ。 そこにはパニック・ルームと呼ばれる非常用の部屋があった。 厚い鉄板と頑丈な扉で囲われ、非常用の物資が蓄えられたうえに、他の部屋がテレビでモニターできる仕掛けになっていた。 引っ越した晩のことである。 3人の男が侵入した。彼らはこの家が空き家だと思って、パニック・ルームに残されたお金を盗みに入ったのだ。 犯人の1人ジュニア(ジャレッド・レト)は、以前この部屋に住んでいた人の遺産相続人で、遺産を独り占めしようとしていた。 それにこのパニック・ルームを設計したバーナム(フェレスト・ウィティカー)、そしてもう1人ラウール(ドワイト・ヨーカム)だった。 パニック・ルームに立て籠もるメグとサラたちと、賊3人のやりとりがこの映画の見物だ。 しかも、サラには糖尿病という持病があり、発作が起きるとインシュリンの注射を打たないと、命が危ないのだ。 もちろん映画では都合良く、パニック・ルームのなかで発作が起きる。 しかし、インシュリンの注射は外にある。 賊たちがパニック・ルームの前から一時的にいなくなると、メグは飛びだして注射を持ってくるが、そのあいだに賊がパニック・ルームへと入ってしまう。 サラを人質に、今度は賊がパニック・ルームに立て籠もる。 扉が閉まる直前に注射を投げ込んだメグが、注射をするように賊に頼む。 かろうじて通じた電話で、前の夫が現場に来るが、賊から大怪我をさせられてしまう。 警官が来るが賊の手前、そのまま返すシーンなど、なかなかにハラハラさせる。 しかし、室内の声はパニック・ルームへは聞こえないはずで、警官とのやりとりで声が出せないかの身振りは変だった。 このシーンはつじつまが合っていなかったにもかかわらず、不思議なことに最後に警官隊が突入してくる。 前作の「ファイト・クラブ」が、残酷すぎるという理由で、アメリカでは不評だった。 そのせいでか、監督の手が縮んでいるように感じる。 この監督は、現代的な問題意識を、シャープな映像にのせることができるのだが、ほんとうに撮りたい映画が作れないようだ。 映像の作り方はいつも通りだとしても、主題の設定がうちわで留まっている。 パニック・ルームという設定は良いとしても、賊の動機に現代社会の反映がない。 この映画では虚構の現代社会を、ほとんど念頭に置いていない。 「ゲーム」にはどんでん返しがあって、何度も驚かされたが、この映画ではそんなこともない。 そのため単純なサスペンス映画になっている。 むしろ手慣れたサスペンスタッチで、見せるといった趣である。 賊との攻防に、心理的な駆け引きも含めて、サラは勇敢に戦う。いかにも強いアメリカ女性である。 ジョディ・フォスターの強さや賢さは、男女が平等になった社会でのものだ。 彼女はそれほど演技が上手くはないが、間違いなく現代のアメリカ女性を象徴する、と思う。 この映画でも、サラを守るというところから、彼女はますます強い女性を演じる。 それでも病弱の娘を守る母親役割のなかに、現代的な女性個人の意識を滑り込ませているのは、見るべきものと感心した。 しかし、演技が単調な絶叫形になりやすいのは、強い女性に特有に現象だろうか。 母親役と個人の葛藤を秘めて、もっと複雑な演技をして欲しい。 デヴィット・フィンチャー本来の映画作りは、こんなものではないだろう。 次作に期待したいが、娯楽映画として、それなりに良くできており、お金を払って見ても決して損はない。 2時間を充分に楽しめる。 巻頭の出演者の紹介は、字体が空中に浮かぶという凝ったものだった。 また2人の日本人の名前が、裏方としてクレジットされていたのは、日本人のハリウッド進出の流れだろう。 2001年のアメリカ映画 |
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