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ハリウッドの内幕もので、プロデューサーが主人公である。 最近では映画の製作主導権は、監督よりプロデューサーのほうが強い、といわれている。 そのプロデューサーが様々な問題にぶつかる様子を、悲喜こもごもに描いている。
今もカンヌ映画祭のオープニング作品が上がって、試写を終えたばかりだ。 しかし、エンディングが不評で、このままではお蔵入りになりそう。 映画会社の社長ルー(キャサリン・キーナー)は作品の修正を求めるが、監督のジェレミー(マイケル・ウィンスコット)はそれを拒否。 ルーは修正しなければ、カンヌにださないと言う。 最後には、監督も最終編集権をもつルーに従ったので、カンヌに間に合った。 ヤレ一安心である。 バツ2の私生活でも問題が多い。 先妻との間にできた娘ゾーイ(クリステン・スチュワート)は、まだ高校生なのに自殺した業界人とできていた。 その葬式で事実を知り、彼は頭を抱える。 2年前に別れたケリー(ロビン・ライトペン)には未練があるが、ケリーは煮え切らない態度である。 自分の下だったはずの男とできていることを知って、彼は落ち込む。 出資した映画会社の社長は激怒。 髭を剃らなければ、製作は中止だと宣言。 ブルース・ウィリスに髭を剃るように説得しなければならない。 エージェントのディック(ジョン・タトゥーロ)に説得させる。 間一髪、これは何とかなった。 カンヌの映画は、監督がルーに従って、エンディングを変えたはずだった。 しかし、上映された映画は、原作のままだった。 ルーは怒り心頭である。 プロデューサーの彼をカンヌに残したまま、ルーのチャーターフライトは飛び立ってしまう。 ベスト30傑に入るかというプロデューサーなら、もう少し権威があるのか思ったが、意外にショボイのに驚いた。 2回の離婚に、きちんと慰謝料を払っているのは当然としても、家だってそれほど立派ではない。 乗っている車こそカイエンだが、着ている洋服は安物っぽい。 彼の設定は、すでに峠をすぎたということなのだろう。 だから、最後の撮影シーンでは、彼は画面の隅のほうへと追いやられて、ケリーと付き合っているライバルが、中心近くにおかれる。 実力社会の厳しさか。 日本人の夫婦なら、旦那が仕事で凹んでいるときには、奥さんも旦那を力づける。 また、旦那も奥さんの力を借りようとする。 しかし、ベンは奥さんだったケリーに、決して弱音を吐かない。 個人の輪郭がはっきりしている。 あれは大変だろう。 落ちぶれつつあるとはいえ、ベスト30傑に入るプロデューサーである。 若い映画志望の女性が、体当たりで彼に接近してくる。 もちろん彼はベッドインする。 こうした話はゴロゴロしているのだろう。 「ラジオの時間」とおなじ内輪ものだが、こちらのほうが哀愁が漂っている。 本音と建て前の使い分けがなく、ベンが凹んでいる様子が良く伝わってくる。 同じ内輪ものでも、アメリカの映画のほうが、人間に正直なように感じる。 「WHAT JUST HAPPENED」 2008年アメリカ映画 (2010.09.15) |
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