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監督は意識しているかどうか判らないが、この風刺劇はマスコミだけではなく、我が国の全般的な社会風潮にたいする風刺となっている。 ラジオ放送のスタジオという小さな舞台をとおして、いまの社会が良く透けて見える。 ラジオドラマの脚本公募で、当選した主婦みやこ(鈴木京香)の台本をもとに、生放送で劇を始めようとする。 初めはきちんとした脚本だったが、各人の無責任な発言に引きずられて、まったく似て非なるものになる。 生放送だと言うことで、放送に穴を開けることは絶対にできない前提で、てんやわんやの騒動が続くのだが、いろいろと考えさせられた。 この映画でも、当初の脚本とはまったく関係ない展開を見せたラジオドラマが、最後には初めの脚本の結末に落ち着く。 現実を突きつけられて、ほろ苦い味をかみしめながら、笑うコメディーである。 我が国の他の分野たとえば政治にしても、これとまったく同じ現象が起きている。 やや無駄なシーンがあったり、カットが長かったりするが、社会風刺として良くできた映画である。 素人の脚本と馬鹿にしているが、むしろプロと言われる人たちのやり方が、行き詰まってきたから低落傾向になった。 工業社会的なヒエラルキーの崩壊が、誰でも口を出し、誰も責任をとらない現象を生み出したのではあるが、これが情報社会化だと考えることには疑問が残る。 確かに新たな秩序の建築には、一つの秩序の崩壊が必然ではある。 | |||||
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