タクミシネマ               バウンティ・ハンター

バウンティ・ハンター
アンディ・テナント監督

 元夫婦が追う者と、追われる者になる話だが、もう死ぬほど退屈なコメディである。
途中で映画館を出てこようかと思ったくらいで、これだけ退屈な映画も最近では珍しかった。
Still of Jennifer Aniston and Gerard Butler in The Bounty Hunter
IMDBから


 元警官のマイロ・ボイド(ジェラルド・バトラー)は、ギャンブル好きが高じて、警官をやめた。
そして、今では賞金稼ぎである。
保釈金を積んで保釈になりながら、期限までに警察に出てこない場合、保釈金が没収になる。

 保釈金は保釈金屋が立て替えていることが多いので、保釈金屋から賞金稼ぎが派遣されるのだ。
トニー・スコット監督が「ドミノ」という賞金稼ぎの映画を撮っていたが、あちらのほうがはるかに良くできていた。

 マイロが賞金稼ぎの相手として、指名されたのは元妻のニコール・ハーレイ(ジェニファー・アニストン)だった。
彼女は車で警官をはねて、保釈中であるにもかかわらず、公判に出なかった。
そのため、保釈が取り消しになり、マイロに追われる身となったのだ。
マイロは借金まみれで、借金取りに追われていた。

 ニコールは新聞記者で、麻薬絡みの山を追っていた。
借金取りと、麻薬絡みの組織と、両方から追われながらの、ドタバタ劇が続く。
これだけ話のネタがあれば、いくらでも面白くできるだろうに。
間延びした会話が延々と続くのだ。
しかも、2人のヨリが戻ることは、見え見えだったから、まったく驚きのない展開だった。

 事前の宣伝では、私生活でもウワサになったジェニファー・アニストンとジェラルド・バトラーというが、映画を売るために付き合っていたに過ぎないのではないか。
また東京新聞に小田克也が書いている映画評では、<作品は、アクションとラブコメディの要素を取り入れ、おしゃれな雰囲気>というが、まったくの嘘っぱちである。


 アクションの要素はほとんどないし、何よりもまったくお洒落ではない。
この映画のどこがお洒落だというのだろうか。
また、<このあたりのギャップをバトラーが好演>してもいない。
かろうじて良かったのは、脇役3人の中年女性である。
つまり、ニコールの母親キティ(クリスティン・バランスキー)と保証屋の妻テレサ(シオバン・ファロン)、それにイレーネ(キャシー・モリアーティ)である。
 とにかく退屈だった。
「THE BOUNTY HUNTER」
 2010年アメリカ映画 
(2010.07.10)


TAKUMI シネマ>のおすすめ映画
2009年−私の中のあなたフロスト/ニクソン
2008年−ダーク ナイトバンテージ・ポイント
2007年−告発のときそれでもボクはやってない
2006年−家族の誕生V フォー・ヴァンデッタ
2005年−シリアナ
2004年−アイ、 ロボットヴェラ・ドレイクミリオンダラー ベイビィ
2003年−オールド・ボーイ16歳の合衆国
2002年−エデンより彼方にシカゴしあわせな孤独ホワイト オランダーフォーン・ブース
      マイノリティ リポート
2001年−ゴースト ワールド少林サッカー
2000年−アメリカン サイコ鬼が来た!ガールファイトクイルズ
1999年−アメリカン ビューティ暗い日曜日ツインフォールズアイダホファイト クラブ
      マトリックスマルコヴィッチの穴
1998年−イフ オンリーイースト・ウエストザ トゥルーマン ショーハピネス
1997年−オープン ユア アイズグッド ウィル ハンティングクワトロ ディアス
      チェイシング エイミーフェイクヘンリー・フールラリー フリント
1996年−この森で、天使はバスを降りたジャックバードケージもののけ姫
1995年以前−ゲット ショーティシャインセヴントントンの夏休みミュート ウィットネス
      リーヴィング ラスヴェガス

 「タクミ シネマ」のトップに戻る