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かつて一世を風靡したカントリー・シンガーのバッド・ブレイク(ジェフ・ブリッジス)。 いまやドサ廻りで何とか食いつないでいた。 すでにアル中で彼の身体はガタガタ。 しかもヘビー・スモーカーである。 典型的な落ちぶれである。
サンタフェのバーにいったときのこと、地元のバック・バンドのピアニストであるウェズリー(リック・ダイアル)から、姪のジーン・クラドック(マギー・ギレンホール)のインタビューを受けてくれないかと言われる。 栄光の昔日を思い出して、気安く引き受ける。 いまでも女性には不自由しない彼だったが、ジーンにはぞっこん惚れ込んでしまった。 彼女はバツイチのシングル・マザーで、メジャーの新聞記者への夢をもっていた。 各地を演奏してまわる彼だったが、何とか彼女との時間を作って、親子共々いい関係になる。 バディの前では、酒を飲まないでくれと言われたにもかかわらず、約束が守れない。 バディと町を見物中に、彼は酒を飲んでしまう。 その間に、バディが迷子になってしまう。 たちまちジーンの怒りにふれて、関係は断絶となる。 彼は断酒会に入って、ジーンとの関係を戻そうとする。 しかし、2人の関係は、もはや戻らなかった。 弟子トミー・スウィート(コリン・ファレル)に曲を提供する。 すると、これが大当たり。 彼には栄光が戻ってくる。 トミーのコンサートにジーンが表れ、再婚したことを告げる。 ただこれだけの映画である。 ジェフ・ブリッジスが自分でカントリー・ソングを歌う。 これが結構上手い。 しかし、我々にはどの曲も同じように聞こえる。 アメリカ人たちは感動しながら聞いていたから、違いが分かるのだろう。 また、カントリーも人気があり、やんやの喝采を受けていた。 だから、日本の歌謡曲のような扱いなのだろう。 それぞれの曲の違いも、きちんと認識されているに違いない。 振り返ってみると、我が国の歌謡曲も外国人が聞くと、みな同じように聞こえるかもしれない。 ジェフ・ブリッジスはけっして下手な役者ではないが、なんだかワンパターンの演技である。 この映画でオスカーを取ったほどだから、カントリー関係者はああした雰囲気かもしれないが、何だかしっくりとこなかった。 ヒロインをつとめたマギー・ギレンホールは、もっと上手い役者かと思っていた。 しかし、一本調子の演技だった。 「マイ ブラザー」でジェイク・ギレンホールを見た直後だったので、不思議な感じだった。 お金のかかっていない映画だが、それはまったく気にならなかった。 「CRAZY HEART」 2009年アメリカ映画 (2010.07.2) |
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