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おとぎ話のような映画で、魔法の短剣によって、時間が戻ってしまう。 ここがミソと言えばミソなのだが、平凡な話で、退屈な映画だった。
古代ペルシャという設定である。 貧しい少年ダスタンは王様の気まぐれで、突然に王子になってしまう。 彼の勇気を見そめた王様が、彼を養子にしたのだ。 まずこんなことはないだろうに、とにかく彼は王子様になったのだ。 後は想像がつくだろう。 兄となる血縁の王子も2人いる。 3人兄弟で育つが、叔父のニザム(ベン・キングズレー)が絡んだ、王位継承争いに巻き込まれる。 おきまりのコースで、勇者に成長した王子ダスタン(ジェイク・ギレンホール)は、聖なる都アラムートの征服にでかけ、神に仕えるタミーナ(ジェマ・アータートン)と巡り会う。 ダスタンが父王にアラムートの法衣を贈ると、その法衣の裏には毒が塗ってあり、王は死んでしまう。 たちまち父親殺しで糾弾される。 タミーナともども、辛うじて脱出し、砂漠に逃れる。 ダスタンは征服の途中で、聖なる都アラムートの至宝である短剣を手に入れる。 彼が手にした短剣は、時間の砂が入っていた。 時間の砂を使うと、時を戻し、過去を変えることができる。 ダスタンとタミーナが結ばれて、目出度し目出度しである。 大雑把な展開で、しかも結末が判ってしまっているので、いささか興ざめである。 絶世の美女というタミーナだったが、スタイルこそ良いものの、それほどの美人ではなかった。 今後、美人の設定は難しくなる。 美人そのものの基準が変わっていることもあるが、美人である必然性が薄くなっている。 「アリス・イン・ワンダーランド」で、赤の女王役だったヘレナ・ボナム=カーターはブスいが、彼女のほうが魅力があったりする。 時間と記憶を扱うと、とたんに映画が難しくなる。 そして、いくらでもご都合主義の展開をつくることができるようになる。 この映画でも、時間を戻しているので、どんな設定でも可能である。 1分くらい戻すのを何度か見せ、最後には大きく何日も戻してみせる。 これでは、1年戻せば、話がなくなってしまうだろう。 「PRINCE OF PERSIA: THE SANDS OF TIME」 2010年アメリカ映画 (2010.06.4) |
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