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子供が死ぬと、親や家族たちは衝撃を受ける。 原作は子供の死によって、家族がバラバラになってしまう様子を描いたものだという。 しかし、映画はオカルト物という感じで、何が言いたかったかよく判らなかった。
1973年12月6日、スージー・サーモン(シアーシャ・ローナン)は近所に住むジョージ・ハーベイ(スタンリー・トゥッチ)という男性に殺されてしまう。 彼女の霊は、天国へとは導かれずに、しばらく地上と天国の間にいる。 49日間は天国へは行かないという、我が国の風習を見ているようだ。 この映画では、49日どころか、数年にわたる長い期間である。 この期間に、彼女は家族と接触しようとするが、いかせん霊になってしまっている。 当然にすれ違いになる。 結局、殺された経緯などが、のろい展開で続くのだが、見ていてイライラしてくる。 もったいをつけた話の展開で、一体何が言いたいのだ、とフラストレーションが高まってしまう。 サスペンス映画の多くは、変質者による連続殺人と描く。 しかし、この映画は殺されたスージー側からと、家族のほうから描いている。 ハーベイを描きこんでもいるから、ちょっと分かりにくい。 それにしても、展開が鈍い。 父ジャック(マーク・ウォールバーグ)、母アビゲイル(レイチェル・ワイズ)、祖母リン(スーザン・サランドン)とそれなりの役者がでているし、お金もかかっている。 にもかかわらず、面白くない。 祖母リンのキャラクターにいたっては、まったく理解の外である。 そこで、ジャックがアビゲイルの母親リンを自宅に呼ぶ。 しかし、この母親がメチャクチャで、家事がまったくできない上に、アル中なのだ。 にもかかわらず、アビゲイルは彼女をおいて、カルフォルニアへと家出してしまう。 アビゲイルはカルフォルニアの農場で働き始める。 子供の死をめぐって、夫婦関係が軋み始めるのは理解できるが、この映画の展開では説得力に欠ける。 最後に、犯人のハーベイは天罰のごとく、崖から落ちて死ぬ。 これもよく判らない。 天国と地上の間をさまよう、スージーのオカルト映画としか思えない。 「コンタクト」などでも天国の風景を描いていたが、天国を映像化するのは難しい。 地獄も難しいが、天国は理想の地だから、何を理想にするかでもあるし、最上の快楽を描くのは難しいものだ。 それにしても、この映画の天国は、陳腐に過ぎる。 原題は「THE LOVELY BONES」 2009年アメリカ、イギリス、ニュージーラン映画 (2010.02.04) |
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