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話の展開はしごく単純である。 天体に興味をもった少女エリー(ジョディー・フォスター)が、子供の頃の興味をそのまま持続し、MITを優秀な成績で卒業し天文学者になる。 彼女は地球外知的生命体を追い求め、まわりからは半ば気違い扱いだが、数年後とうとうヴェガ星雲の近くから発せられる信号をとらえる。 ここからは彼女だけの私事ではなくなり、アメリカ政府や大統領もからんだ国家的な事業となる。
信号を解読してみると、それは一人乗りの宇宙船=宇宙間移動装置の設計図である。 アメリカ政府が中心になって、宇宙船を完成させる。 宇宙船建設のために大きなお金が動くため、ワシントンの政争に巻き込まれて、彼女の期待するようにはなかなか展開しない。 映画は、地球外知的生命体を捜す宇宙探検の影に、宗教的な主題=生命とは何かを伏線として流し、神と科学の抗争をおく。 映画の主題は、わからないままに終盤を迎える。 1年以上もかけて売り込んだ結果、やっとスポンサーを獲得し、ニューメキシコで研究に没頭する。 終盤になって、彼女が宇宙船に乗り込んでヴェガに行く。 映画は丁寧に作られている。 誠実な主題とまじめな製作態度は、この映画を少しもだれさせず、観る者を引きつける。 この映画では、エリーの記憶を読みとった相手側が、彼女の記憶に従って映像化するという手続きを踏んでいるので、ヴェガは地球的な風景である。 アメリカではいまだに、科学が常に宗教との距離ではかられる。 映画としては、主題が直接語られる後半の部分が、未消化である。 この映画で観るべきは、今のアメリカ女性の理想像を、ジョディー・フォスターが体現していることだろう。 こうした形で女性の理想像を、小さな時から見せられてくれば、アメリカの女性たちは逞しくなる。 1997年のアメリカ映画 | |||||||||
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