タクミシネマ     あなたは私の婿になる

あなたは私の婿になる
アン・フレッチャー監督

 出版社の敏腕編集長マーガレット(サンドラ・ブロック)は、カナダ人だったために、アメリカで働くのにはビザが必要だった。
そのビザが切れてしまい、国外退去になりそうになる。
そこで咄嗟に思いついたのが、部下のアンドリュー・パクストン(ライアン・レイノルズ)と結婚して、アメリカ市民になってしまうという作戦だった。

Still of Sandra Bullock and Ryan Reynolds in The Proposal
IMDBから

 結婚話を持ちかけらたアンドリューこそ、良い迷惑である。
マーガレットは、「プラダを着た悪魔」のミランダ編集長以上のワガママぶりで、アンドリューはとても結婚するつもりなど無かった。
しかし、彼女の後任になる編集者は、マーガレットがクビにしたばかりだから、彼はアンドリューをクビにするだろう。
そう脅して、彼女は彼に結婚を承諾させる。

 2人の結婚は偽装結婚だ、とクビにした部下が、移民局へたれ込んだ。
そのために、本当の結婚だと、証明しなければならなくなった。
アンドリューの故郷シトカへと、2人は結婚の報告に行く。
シカトはアラスカの僻地である。
親戚一同がマーガレットを暖かく迎え、とうとうその場で結婚式をすると言う話になってしまう。

 
 この先は展開が見えてしまって、興ざめなのだが、アメリカ人は本当に真面目である。
純真な親戚たちを騙してまで、マーガレットは結婚式ができないのだ。
彼女は結婚式の当日、式壇の前で真実を告白して、ニューヨークへと戻る。
そこには移民局の捜査官が、得々として隣に座っている。

 移民の国アメリカは、同時に偽装結婚が多い国でもある。
偽装結婚を描いた「グリーンカード」という映画もあるように、アメリカの市民権をとるために、結婚する人たちが後を絶たない。
もてる国、豊かな国には世界中から、人々が殺到する。
カナダ人は、ほとんどアメリカ市民と同じ待遇だろうが、それでも労働にはビザが必要なのだろう。

 アンドリューの故郷シトカというのが、とても良い町として描かれている。
アラスカの田舎で、小さな飛行で着いた先から、船に乗らないとたどり着けない町だ。
大庭みな子が住んでいた町でもある。

 アンドリューは、シトカの大金持ちの御曹司だったが、編集という仕事に憧れてニューヨークへとでたのだ。
シトカでは祖母のアニー(ベティ・ホワイト)が、孫の嫁を大歓迎してくれる。
母親はロシアからの移民だったとかで、結婚には苦労したらしい。
このあたりが、アメリカらしいところだろうか。


 我が国でも、外国人と結婚する人が増えてきた。
日本人の場合は、少子化などもあって、国際結婚も歓迎されているようだ。
偽装結婚のはなしも聞こえてきている。
今後は、我が国でも、外国人との話が増えてくるだろう。
こんな映画が、他人事ではなくなるかも知れない。

 大々的な前宣伝だが、ただ楽しく2時間を過ごすだけで、映画としては特別論じるまでもない。
中年になったサンドラ・ブロックは、スタイルこそ良いが、ブスい顔である。
なぜ彼女が人気あるのか、よく判らない。
アメリカでは女性監督がずいぶんと増えた。
この映画も女性監督である。
原題は「The Proposal」  2009年アメリカ映画


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