タクミシネマ      ハイキック・ガール

ハイキック・ガール  西冬彦監督

 劇場公開の映画だから、ちゃんと話の筋があるだろうと思っていたら、社団法人日本空手協会の宣伝映画だった。
讃岐うどんの宣伝をした「うどん」という良い例もあるのだ。
宣伝映画でも良いが、劇場公開するのなら、もう少し内容を考えて欲しい。

公式サイトから
 
 映画の冒頭は、期待をもたせる。
ハリウッド映画のように、制作会社の名前がアニメで演出される。
そして、東京の超高層ビル群が、レインボー・ブリッジの向こうに見える。
徐々にアップになっていく。
そして、都心や新宿など、各地の超高層が映された後、東京タワーが中央に納まる。

 突然、人間が降ってくる。
道路で乱闘がはじまり、女性が巻き込まれる。
リアルな演技で期待を持たせる。
しかし、それからがいけない。
カットが長く、画面が暗いのだ。
明らかに照明不足で、発色が悪い。
素人が撮ったようだ。
映画の字幕が入るのが、よく判らない。
やがて、この映画を外国での宣伝につかうつもりで、英語の字幕を入れたと判る。

 主人公の土屋圭(武田梨奈)は、女子高校生ながら空手の天才。
しかし、師匠の松村(中達也)は、形を重視しており、基本稽古しかさせない。
自分は強いにもかかわらず、黒帯にもしてくれない。
それが不満で、黒帯狩りをしたりしているうちに、壊し屋集団に参加しようとする。
壊し屋集団のボスは、松村を恨んでおり、土屋をつかって松村をおびき出す。


 恨みの原因は何かといえば、それがぜんぜん説明されない。
ただ15年前は、15年前はというばかり。
話は何もないのだ。
ただただ、空手のシーンが続くだけ。
ワイヤーワークもスタントもなし、もちろんCGもなしというのは良いが、締まらないことおびただしい。
主人公の立ち振る舞いや、空手のシーンは格好良かったが、困った映画だった。
2009年日本映画

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