タクミシネマ     フェイクシティ−ある男のルール

フェイクシティ ある男のルール
デヴィッド・エアー監督

 見たい映画が、満員で入れなかったので、見る予定ではない映画を見てしまった。
1970年頃の警察を舞台にした、典型的なB級映画である。
それなりに出来てはいるが、驚きはまったくない。

IMDBから

 ロス・アンジェルス警察のラドロー刑事(キアヌ・リーブス)は、奥さんを強姦された上に殺された。
3年たっても立ち直れず、酒浸りの日々だった。
しかし、命知らずで無鉄砲な彼を、上司のジャック(フォレスト・ウィテカー)が、可愛がっていた。
ここで何か胡散臭い感じがしてしまう。

 同僚のワシントン(テリー・クルーズ)が、目の前で殺されるが、もみ消されそうになった。
若い刑事ポール(クリス・エバンス)が、近づいてきたのを捉えて、2人だけで犯人探しに乗りだす。
すると案の定、警察署内の大規模なスキャンダルにつきあたる。
上司のジャックが、裏で糸を引いていたのだ。
最初から、この結末が見えてしまっている。

 「LAコンフィデンシャル」といい、警察内部の腐敗を描く映画は、ずいぶんと多い。
すべての権力は腐敗するのだから、警察が腐敗しても不思議ではない。
しかし、それにしてもアメリカの警察の腐敗がこれほど描かれるのは、いったいどういう理由があるのだろうか。

 まず、アメリカの警察は、本当に腐敗していたと考えられるか。
事実を描いているだけだという理由。
正義の維持を任務としながら、賄賂を取ったりしていれば、正義の実現はおぼつかない。
しかも、他の役人の不正と違って、警察官の不正は、身近な問題だから映像化しやすい。

 先進国では、それなりの給料が支払われているので、行政官は賄賂を取らない建前である。
しかし、途上国では、下級官吏の給料が安いので、とくに警官などは賄賂を取るのが当たり前である。
我が国でも、かつては賄賂が幅を利かせた。

 今では、我が国の警察官が賄賂を取るとは、思われていない。
しかし、警官には一種の役得があって、それは暗黙の了解事情だから、公表されたりしないのだろうか。
高級官僚達のワタリも、一種の賄賂だとみなせば、やっと検討の俎上にのぼってきた。
警察官が、安全協会などへ就職するから、やっぱり役得と見るべきなのだろうか。

原題は「Street Kings」
2008年アメリカ映画

TAKUMI シネマ>のおすすめ映画
2009年−私の中のあなたフロスト/ニクソン
2008年−ダーク ナイトバンテージ・ポイント
2007年−告発のときそれでもボクはやってない
2006年−家族の誕生V フォー・ヴァンデッタ
2005年−シリアナ
2004年−アイ、 ロボットヴェラ・ドレイクミリオンダラー ベイビィ
2003年−オールド・ボーイ16歳の合衆国
2002年−エデンより彼方にシカゴしあわせな孤独ホワイト オランダーフォーン・ブース
      マイノリティ リポート
2001年−ゴースト ワールド少林サッカー
2000年−アメリカン サイコ鬼が来た!ガールファイトクイルズ
1999年−アメリカン ビューティ暗い日曜日ツインフォールズアイダホファイト クラブ
      マトリックスマルコヴィッチの穴
1998年−イフ オンリーイースト・ウエストザ トゥルーマン ショーハピネス
1997年−オープン ユア アイズグッド ウィル ハンティングクワトロ ディアス
      チェイシング エイミーフェイクヘンリー・フールラリー フリント
1996年−この森で、天使はバスを降りたジャックバードケージもののけ姫
1995年以前−ゲット ショーティシャインセヴントントンの夏休みミュート ウィットネス
      リーヴィング ラスヴェガス

 「タクミ シネマ」のトップに戻る