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映画の元になったのは、1947年に実際にあった出来事らしい。 「LAコンフィデンシャル」を思わせる作りで、格調が高い画面である。 物語は複雑でわかりにくく、やや狐につままれた感じもあった。 映画を見終わって、劇場パンフレットで確認して、やっとわかった部分があったことを白状する。 しかし、それでも充分に楽しめる。
2人とも元ボクサーだったので、警官の年金改革のために、試合をやる羽目になる。 お金が必要だったバッキーは、リーに勝ちを譲った。 彼は八百長をやったのだが、それは物語には関係ない。 2人はボクシング好きの検察官の目にとまり、好試合をやった論功行賞で、特捜課へと配置換えになる。 そんなある日、容疑者を張り込み中、撃ち合いになり、リーが情報提供者のバクスター・フィッチ(ジョン・ソラーリ)を射殺してしまう。 リーが射殺した結果、バッキーはリーに助けられることになり、彼は命の恩人として以後リーを慕い続ける。 ボビーとケイのあいだには、ただならぬ関係があったらしく、 ケイの身体はbdと大きく傷つけられていた。 そんな彼女だが、今ではリーと恋仲で、そして、バッキーを入れた3人は、いつも仲良くやっていた。 リーがバクスター・フィッチを射殺したとき、 偶然にも事件現場の裏では、女性の猟奇的な死体が発見された。 被害者はエリザベス・ショート(ミア・カーシュナー)で、女優志願の美人だった。 この殺人事件に入れ込んだリーは、殺人課に転籍してまでも、犯人を追うことになる。 しかし、リーは銀行強盗のボビー・デウィットを逮捕したときに、犯人から奪ったお金を横領していた。 そして、それを理由に、バクスター・フィッチから集られていたのを、事件に見せかけて殺したのだった。 まず、リーがバクスター・フィッチ(ジョン・ソラーリ)を射殺する。 これが第1の事件である。 リーが銀行強盗のボビーから、お金を横領したこと。 そして、収監中のボビー・デウィットとケイの関係が、徐々に明らかになっていく。 次に、エリザベス・ショート殺人事件がおきる。 これが第2の事件である。 そして、エリザベスとリンスコット家のマデリン(ヒラリー・スワンク)は、ゲイだった。 それを知ったリーは、リンスコット家の主人エメット(ジョン・カバナー)を恐喝した。 そのため、人間関係が入り組んでしまい、なかなか判りにくい。 リーはリンスコット家を脅していたので、その娘マデリンによって殺されてしまうのだが、殺人のシーンではマデリンの正体は明かされていない。 マデリンはバッキーと関係ができるのも、なぜか唐突な感じである。 エリザベス・ショートを殺したのは、ハリウッドの開発でお金持ちになったリンスコット家の夫人ラモーナ(フィオナ・ショウ)だった。 しかし、リーが強請のネタにしているのは、エリザベスとマデリンがゲイだったことではなく、ラモーナ夫人の犯行だと勘違いしたほど、このあたりの説明はわかりにくい。 冒頭のボクシング・シーンは、物語に関係ないからカットして、リーとリンスコット家の人々との関係を、描き込むべきである。 マデリンの父親は叔父だったりと、複雑なリンスコット家の事情も、やがて明らかになり、バッキーがその事件を解明していく。 最初のうちは、リーを善玉として見ているが、徐々に彼の悪行がバレはじめ、リーは善人から悪人へと転じていく。 それにつれて、リーとバッキーの関係が変化し、またバッキーとケイの関係も変わっていく。 また、リーとリンスコット家の人々との関係は、一切画面に出てこない。 マデリンの口から説明されるだけだから、よーく聞いていないと判らなくなる。 しかし、ややセピアがかった画面が、格調高く続き、緊迫した雰囲気を持続している。 バッキーを演じたジョシュ・ハートネットが、とてもカッコ良く、渋いスター性がある。 格調の高さに星を献上しようと思ったが、 謎解きの部分は台詞ではなく、映画なのだから画面でやるべきだと考えて、星の献上は取りやめることにした。 また、リンスコット家の夫人ラマーナが、重要な役回りを演じているが、最後に自殺させなかったほうが良かった。 重要人物を殺して決着を付けるのは、あまり優れたエンディングではなく、きちんと説明を付けるべきだろう。 2006年アメリカ映画 (2006.10.18) |
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