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「LAコンフィデンシャル」で復活したとはいえ、キム・ベイシンガーはすでに盛りを過ぎている。 盛りを過ぎた美人女優と、売り出したい若手男優という組み合わせが、いかにもB級映画である。 しかも、主人公の若者ライアン(クリス・エバンス)が、あまりにもスーパーマンというのも、売り出したい意識が見え見えである。
誘拐された女性ジェシカ(キム・ベイシンガー)と、彼女から電話を受けた若者が、携帯電話だけを頼りに事件解決にいどむ。 早い展開、謎解きのうまさは、なかなかのもので、見ても損はない映画である。 突如進入してきた男たちが、女中さんを殺したかと思うと、ジェシカを誘拐・監禁する。 監禁された屋根裏部屋には、壁掛けの電話があったが、犯人が大ハンマーで壊してしまう。 犯人たちは何か探しているようで、そのありかを彼女に問いつめる。 しかし、彼女はガンとして突っぱねる。 犯人たちは普通の犯罪者としては、どこか違った雰囲気である。 男が電話を壊したので、これで外界との連絡は途絶かと思いきや、彼女は何とか修理して外界と連絡が取れる。 つながった相手のライアンは、彼女の電話をまともに取り合ってくれ、彼女を救出すべく走り回る。 このサスペンスのお約束は、電話が切れたら終わりで、ライアンは携帯電話を切ることができない設定である。 ここで警察からの助力は期待できなくなる。 やがてジェシカの子供や旦那まで誘拐されてしまう。 お目当てのものは銀行の貸金庫にあるとわかり、犯人たちが乗り込む。 しかし何とそこへ来たライアンが、目的の物を手にしてしまう。 あとは両者の追いかけっこと、人質と目的物の交換である。 後半に至ると、この犯人たちが実は警察官だとわかる。 麻薬がらみ捜査中、誰かを殺したシーンをビデオに撮られ、そのビデオをジェシカ夫婦がもっていたのだった。 だから、犯人たちは悪者風だが、普通の犯罪者とちょっと違っていたのだ。 終盤では受付の警官が大活躍をして、ハッピーエンドになる。 犯人が警官だったというどんでん返しが、次にやはり犯人たちは悪者だったと、2重のどんでん返しがある。 このあたりの意外性が売りなのだろうが、観客もいまやこの程度では驚かない。 むしろライアンは犯人たちが警官であると知ったのに、そのままジェシカの味方をして、つまり警察を敵として行動するのが不思議だと思ってしまう。 映画を作る方も大変である。 2004年アメリカ映画 (2005.03.09) |
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