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イギリスの高校での話。 この高校は、金持ちの子供たちが通うので有名だった。 夏休みに入る前、4人の生徒リズ(ソーラ・バーチ)、フランキー(キーラ・ナイトレイ)、マイク(デズモンド・ハリントン)、ジェフ(ローレンス・フォックス)が、裏山の大きな穴に入った。 最初、4人は3日間のつもりで、浮かれ気分のパーティをやっていた。
この計画は、マイクの愛をリズに向かわせるために、マーティンが計画したものだった。 4人で3日間を過ごせば、マイクの気持ちがリズに向くと考えたマーティンは、リズにその計画を教えた。 しかし、実行されたのは、マーティンの計画とは違った。 3日で終わるはずだったが、リズは鍵を隠して、マイクと何日も一緒にいようとした。 3日がたっても、迎えのマーティン(ダニエル・ブロックルバンク)はこない。 他の者には、その穴は外から鍵がかかっているように見えた。 脱出不能。 絶望が支配する。 やがて、食料も尽き、いがみ合いが始まった。 まず、フランキーが血を吐いて死ぬ。 残ったのは、リズとマイクだった。 すっかり弱気になったマイクは、リズにすがり、愛しているという。 肉体関係もでき、リズは大満足だった。 マイクの愛を確保したリズは、脱出しようとする。 穴から出るために、鍵のことを知らせると、マイクは激怒。 しかし、梯子がこわれてマイクは墜落死してしまう。 2週間もの失踪は、学校中で大騒ぎになっていた。 穴からでたリズは警察に通報するが、誰とも口をきかない。 精神分析医のフィリッパ(エンベス・ダビッツ)は、カウンセリングからリズの言葉を導きだす。 リズはマーティンに閉じこめられたと、嘘をいう。 嘘の自供を信じたフィリッパは、リズに引き回される。 愛の独占欲は、フランキーやジェフの死に無関心なのは当然としても、マイクの死すら受け入れる。 死んでしまえば相手の心変わりがなく、自分が思い出を独占できる。 リズはそれが嬉しいという。 こうした役をやらせたらソーラ・バーチはうまい。 切れた女性の演技は、クリスティーナ・ リッチと双璧だろう。 切れた男性というのは、昔から映画のテーマになった。 しかし最近では、女性が殺人を犯す映画がふえている。 「スパイダー」でも犯人は女性だったし、自立する女性は犯罪面でも男性と同じになってきた。 この映画では、男の愛を手に入れるためとはいえ、常軌の逸し方は尋常ではない。 悪意の女性が、女性の精神分析医をかるがると翻弄するさまは、女性同士であることと相まって、強烈なフェミニズム批判にも見える。 あげくの果てには、リズは精神分析医に本当のことを知らせながら、精神分析医から虐待を受けたかのように被害者を装ってしまう。 リズはマーティンを殺し、彼を犯人に仕立てる。 死人に口なしで、彼女は疑われるどころか、同情を集めるかわいそうな少女である。 精神分析医は加害者とすらみられ、どうすることもできない。 心の時代といわれるが、心が自覚的に悪に向かった場合、それを止めるのは困難だし、心を救う精神分析が反対に悪を助長してしまう。 <藪の中>のような話だが、いかにも現代的な狂気を描いた作品である。 2001年のイギリス映画 |
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