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「ボーン・コレクター」では黒人のデンゼル・ワシントンが、主人公になっていた。 この映画でも、黒人のモーガン・フリーマンが主人公になり、しかも若い白人女性モニカ・ポッターが悪役になっている。 白人女性が、ピストルをがんがん撃つなどと言うことは、かつてならあり得なかった。 いまでは女性も立派に悪役を演じている。 アメリカ映画では、黒人差別、男女差別などが、明らかに崩れ始めている。
上院議員の娘ミーガン(ミカ・ブーレム)が誘拐された。 犯人のゲイリー・ソンジ(マイケル・ウィンコット)は捜査官として、アレックス・クロス(モーガン・フリーマン)を指定してきた。 犯人は有名になりたい、社会に認められたいという、一種の狂信者だった。 これだけなら単なる誘拐事件であり、それをゲーム仕立てにしても、もはや新しさは何もない。 この映画は、誘拐犯を利用して身代金を奪うのが新しい。 ミーガンの警備には、シークレットサービスのジェシー(モニカ・ポッター)がついていた。 ミーガンの誘拐で、彼女は決定的なミスを犯したことになり、落ち込んでいた。 しかし、クロスは犯人をよく知っているという理由で、捜査にジェシーを加えた。 綿密に計画された誘拐だったが、クロスの丁寧な捜査によって、犯人は徐々に絞られ始めていた。 犯人は身代金目当てではない、クロスはそう考えていたが、妙なことに身代金が要求されてきた。 ジェシーは誘拐犯からミーガンを奪ったのだ。 彼女は身代金を要求し、その罪は誘拐犯にかぶせようとした。 クロスは誘拐の目的が変わったことから、裏の事情を敏感に察知する。 結局クロスの働きによって解明され、ミーガンは無事に保護されて事件は解決する。 誘拐犯を利用して、身代金を奪うという発想は面白いが、話の運びにちょっと無理がある。 誘拐犯の事前計画を知って、それ利用したのだとすると、ジェシーの事前計画がまったく描かれていない。 誘拐犯の行動が説明されきれずに、ジェシーの犯行へつながるために、どこまでが誘拐犯の行動で、どこからがジェシーの犯行なのか判らない。 また映画の冒頭で、クロスは同僚の刑事を囮捜査によって死なせているが、その話が誘拐事件と関係つけられていないので、伏線として効いていない。 それに、ACE & 8というパスワードに気がつくのも、ややご都合主義にすぎ、全体に展開の必然性が欠ける。 そして、あっと言わせるようなかたちで、種明かしをしてほしい。 だんだんとジェシーの犯行が判ってくるのでは、サスペンス映画としては興ざめである。 狂信的な誘拐犯から、身代金の要求がくる不自然さを、もっと強調すべきだったのだろう。 最後に出演者やスタッフの名前がクレジットされるが、その中に日本人の名前があった。 日系二世かもしれないが、日本人の名前だったので、おそらく渡米した日本人だろう。 日本人もハリウッド映画の裏方に、進出しているに違いない。 話の展開とは関係ないが、冒頭の出演者の紹介は、なかなかに美しく優れたデザインだと思う。 2001年のアメリカ映画 |
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