|
|||||||||
何とも不思議な映画である。 アメリカ映画でも、ギャングが精神科医にかかる「アナライズ ミー」という映画があったが、いかにもイギリス風のとぼけた味で、楽しいコメディである。
そこで20年来の友人ジュード(ジュード・ロー)に、おれをギャングの仲間に入れてくれ、ともちかける。 ジュードは親分のレイ(レイ・ウィンストン)に頼み、ジョニーはギャングの仲間に入れた。 しかし、今のギャングはやさしく、抗争などしない。 欲求不満のジョニーは、自分で抗争の種をまく。 それが仲間に知れて、とうとう殺されてしまう、という顛末。 これだけなら何と言うことはないが、このギャングたちはレイ親分をはじめとして、カラオケが大好きなのである。 彼らはロンドンの北側を支配するギャングだが、南側を支配するギャングたちもカラオケは好き。 南の親分ショーン(ショーン・パートウィ)をはじめ、彼らは彼らで、仲間内で楽しくやっている。 そこへ問題児の登場である。 ロンドンは北と南にシマ割りができ、それなりに生活ができている。 親分は女優のセイディ(セイディ・フロスト)にぞっこんで、結婚話をすすめている。 いまさら殺しあいはご免である。 となれば、抗争を好む問題児は、両方の組織にとって邪魔である。 北側の問題児がジョニーだとすれば、南側にも問題児(リス・エヴァンス)はいる。 親分同士が計らって、2人を殺して一件落着というエンディングである。 とにかく話は大した意味はない。 主題といっても、ほとんどないに等しい。 ただこの映画を作ろうと思いついたときが、始まりで終わりである。 特別に難しい話や、展開があるわけではないから、楽しく撮影が進んだろうと思う。 こうした映画は、演技をしている人たちが楽しむのが、まず一番である。 親分レイの乗る車がセルシオで、子分たちがのるのがエスティマ。 殺されたギャングが乗っているのが、古いクラウン。 いまやセルシオがキャディラックで、クラウンはフォードといった具合だ。 かつてのアメ車のように、日本車の序列が、きちんと出来上がっているのには驚いた。 それにしても、カラオケは今や世界共通語である。 わが国が世界に貢献したものの優秀作品の一つは、まちがいなくカラオケだろう。 歌うことによっては、争いにはならない。 歌えばみんな楽しくなる。 カラオケのマイク合戦など、不愉快なときもあるが、それは些細なことである。 カラオケを生みだしたことによって、世界の人たちが平和になれれば、こんなに良いことはない。 カラオケこそ、世界に誇っていい日本発の文化である。 撃ち合いのシーンでも、新車にはまったく弾が当たらず、古いワゴンに弾丸をあてただけ。 やっぱり映画はお金ではない。 この映画もフジフィルムを使っていた。 低予算映画は、フジフィルムを使うのだろうか。 この映画では、俳優たちが映画のなかでの名前を使わず、そのままの名前ででていた。 だから、ジュード・ローは、ジュードと呼ばれていた。 最初はちょっと違和感があったが、すぐに慣れてしまった。 原題は、「Love, honour & obey」 1999年のイギリス映画 |
|||||||||
<TAKUMI シネマ>のおすすめ映画 2009年−私の中のあなた、フロスト/ニクソン 2008年−ダーク ナイト、バンテージ・ポイント 2007年−告発のとき、それでもボクはやってない 2006年−家族の誕生、V フォー・ヴァンデッタ 2005年−シリアナ 2004年−アイ、 ロボット、ヴェラ・ドレイク、ミリオンダラー ベイビィ 2003年−オールド・ボーイ、16歳の合衆国 2002年−エデンより彼方に、シカゴ、しあわせな孤独、ホワイト オランダー、フォーン・ブース、 マイノリティ リポート 2001年−ゴースト ワールド、少林サッカー 2000年−アメリカン サイコ、鬼が来た!、ガールファイト、クイルズ 1999年−アメリカン ビューティ、暗い日曜日、ツインフォールズアイダホ、ファイト クラブ、 マトリックス、マルコヴィッチの穴 1998年−イフ オンリー、イースト・ウエスト、ザ トゥルーマン ショー、ハピネス 1997年−オープン ユア アイズ、グッド ウィル ハンティング、クワトロ ディアス、 チェイシング エイミー、フェイク、ヘンリー・フール、ラリー フリント 1996年−この森で、天使はバスを降りた、ジャック、バードケージ、もののけ姫 1995年以前−ゲット ショーティ、シャイン、セヴン、トントンの夏休み、ミュート ウィットネス、 リーヴィング ラスヴェガス |
|||||||||
|