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アメリカの人種差別を、白人側から撮った映画である。 おそらく監督は若い白人だろう。 主人公のデレク(エドワード・ノートン)は父親の影響もあって、白人優位主義に染まっていた。 しかも父親が消防活動をしている最中に、黒人から射殺されたので、完全に有色人種は害悪だと信じ切っている。 今や有色人種を公然と非難し、自らスキンヘッドにしてネオナチのシンパである。
デレクの家の前に止めてあった車に、黒人がこそ泥に入ったから、彼はたちまち射殺してしまった。 ネオ・ナチに幻滅した彼は、いまやまったくの堅気になり良き市民である。 黒人差別の撤廃を訴える映画はたくさんあったが、その多くは差別される方からのものだった。 ネオ・ナチの登場は、新たな差別主義者の登場ではあるが、彼等の運動がヒットラーを模倣している限り、大きな力にはならない。 黒人であるスパイク・リー監督の「クロッカーズ」が、差別への怨念と黒人であることへの暖かい連帯意識に溢れているのに対して、この映画は冷静である。 「ファイト・クラブ」でのエドワード・ノートンは、華奢な優男だったけれど、この映画では筋肉溢れるたくましい男に変身していた。 映像としては、回想場面をモノクロでいれていたのは納得できる。 1999年のアメリカ映画。 | |||||||||
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