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ヨーロッパのしかも青春物ということで、この映画にはあまり触手が動かなかった。 しかし、同じイギリスの映画である「秘密と嘘」が意外に良かったので、見ることにした。 結論から言うと映画自体はB級だが、同じヨーロッパでもイギリスはフランスとは何か違う動きが始まっているようである。 西洋諸国の青春物の定番に従って、若者たちの麻薬漬けの日々が中心である。 階層間の移動が少ないイギリスでは、働いても充実感が入手できない。 そのため、プチブル的な生活を手に入れるために、必死に働く必要性や魅力が感じられない。 何もすることがなければ、酒浸りの毎日というのが以前は多かった。 ナンパした女の子ダイアンが中学生だったり、万引きで逮捕されたり、仲間の赤ん坊を死なせてしまったり、四人のうちの一人が注射針から感染したエイズで死んだり。 そこへ20キロのヘロインを4、000ポンドで仕入れ、16、000ポンドで売る仕事がくる。 麻薬映画というのは、最後が非常に難しい。 レントンがベッドを共にするダイアンは、ディスコで会った夜には若い性的な女性として、非常に魅力的に登場する。 青春物というのは、生きる手ごたえを捜してもがくことが主題なのだが、工業社会が成熟した今、こうした映画には何の驚きもない。 青春物は、現在の体制が前提になっており、それからの距離で映画が語られるために、どうしても時代の後追い・後付けになってしまう。 この映画も、若者が出口のない孤独な状態にあること以上の展開をしていない。 ダニー・ボイル監督のこの映画に、いくらかの驚きがあったとすれば、イギリスの未来指向が垣間みれたことである。 | |||
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