タクミシネマ          バスケットボール・ダイアリーズ

バスケットボール ダイアリー
  スコット・カルバート監督 

 文部省後援の麻薬撲滅キャンペーン映画。
レオナルド・ディカップリオの熱演、高校生を演じる彼は本当にうまい。
ジュリエット・ルイスもでているし、他にもそこそこの俳優が出演しているが、しかし、つまらない。
映画の主張は、はっきりしているにもかかわらず、なぜつまらないのだろうか。
黒人差別を取り上げている「クロッカーズ」は、同じように主張を全面にだしているにもかかわらず楽しめる。
この映画は楽しめなかった。

 この映画のつまらなさは、文部省後援的な映画に共通するものである。
絶対的な正義を押しつけてもいない。
いうべき主題もある、俳優もうまい、画面もきれいだ、しかし面白くないとは、いったい何が原因なのであろうか。
この映画は麻薬が悪いと声高に主張せず、麻薬の負の面だけを見せることによって、麻薬の恐さを訴える。
映画の作り方としては、非常にまじめである。
でも、この映画は人の心をうたない。
なぜか。

 麻薬、売春、若年者の妊娠は、どれも個人的な体験であり、麻薬にしても軽いものなら誰にも迷惑をかけるわけではない。


しかし、この映画の主題が、個人的な体験だからつまらないわけではない。
個人的な体験を、感動的に仕上げた映画はいくらでもある。
おそらく、主題の展開の仕方に問題があるのだろうが、それがどこにあるのだか判らない。
1995年アメリカ映画。


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