タクミシネマ                   ドタキャン・パパ

 ドタキャン パパ     アーサー・ヒラー監督

 主題こそ現代的だが、まったく面白くない映画が、こんなにお金をかけて作られている。ストーリーの展開が圧倒的なわけでも、主題が考えさせるわけでも、映像が美しいわけでもない。せっかくの現代的な話を、非凡に展開して欲しい。まったく取り柄のない映画である。しかし、パトカーは何台もクラッシュするし、建物は壊れるし、最後にはヘリコプターや軍隊まで登場するし、一体どうなっているのだろう。

 仕事一途だった父親が、ある朝しかも重大なプレゼンテーションがある日、奥さんが風邪をひいて起きれなくなってしまう。奥さんの代わりにダニエル(デイヴィッド・ペイマー)が、子供たちを学校まで送っていくことになった。その途中で銀行強盗に巻き込まれ、仕事が間に合わなくなると共に、仕事中毒から解放されて、子供との付き合いや家庭を見直すという話しである。主題は「ケーブル・ガイ」と同じである。

 映画自体はコミック仕立てになっており、おかしく作ってあるのだが、まったく面白くない。少ない観客の誰も笑わない。ただ、坦々と映画は進むだけ。仕事から家庭へという主題はすでに古く、そこに何かもう一つからませなくては、このままではもはや映画たり得ない。こんな企画がよく通ったと感心するばかりである。

 使われた車がトヨタのエスティマだったのは、ワンボックスの車でカーチェイスをやれる操縦性の良さが買われたのだろうか。
1996年アメリカ映画。


TAKUMI シネマ>のおすすめ映画
2009年−私の中のあなたフロスト/ニクソン
2008年−ダーク ナイトバンテージ・ポイント
2007年−告発のときそれでもボクはやってない
2006年−家族の誕生V フォー・ヴァンデッタ
2005年−シリアナ
2004年−アイ、 ロボットヴェラ・ドレイクミリオンダラー ベイビィ
2003年−オールド・ボーイ16歳の合衆国
2002年−エデンより彼方にシカゴしあわせな孤独ホワイト オランダーフォーン・ブース
      マイノリティ リポート
2001年−ゴースト ワールド少林サッカー
2000年−アメリカン サイコ鬼が来た!ガールファイトクイルズ
1999年−アメリカン ビューティ暗い日曜日ツインフォールズアイダホファイト クラブ
      マトリックスマルコヴィッチの穴
1998年−イフ オンリーイースト・ウエストザ トゥルーマン ショーハピネス
1997年−オープン ユア アイズグッド ウィル ハンティングクワトロ ディアス
      チェイシング エイミーフェイクヘンリー・フールラリー フリント
1996年−この森で、天使はバスを降りたジャックバードケージもののけ姫
1995年以前−ゲット ショーティシャインセヴントントンの夏休みミュート ウィットネス
      リーヴィング ラスヴェガス

「タクミ シネマ」のトップに戻る