タクミシネマ                  1 0 1

1 0 1   スティーブン・ヘレク監督

 ディズニーお得意の動物映画である。
ダルマティアンという斑点のある犬を飼っている男ロジャー(ジェフ・ダニエルズ)と女アニタ(ジェエリー・リチャードソン)が 出会い、犬が恋に落ちるのに引きずられて飼い主たちも恋に落ちる。
人間が妊娠すると同時に、犬も妊娠する。
人間の子供は一人で生まれるが、犬は一五匹の子供を生む。
両親がダルマティアンだから、子供はすべて斑点をもった犬である。
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劇場パンフレットから

 女性が勤めている会社は、デ・ヴィルというファッションの会社で、その社長はクルエラ・デ・ヴィルという女性である。
彼女は大の毛皮好き。
特に珍しい毛皮が大好きで、動物園から珍獣を盗みさえする。
今度はダルマティアンの斑点が気に入って、その子犬を集め始める。
そこで、彼らの子犬も誘拐されてしまう。
ディズニー映画なのでだれも死なないし、最後はめでたしめでたしとなるのだが、この映画にかんしては可もなし不可もなしである。
アニメ原作を実写へと焼き直したのだが、平凡な映画になってしまった。

 動物の扱いは上手いし、筋の展開にも不自然さはなく、安心してみることができる。
しかし、何の驚きもないし、感心させられるところもない。
ギャグの先が判ってしまうのは、興ざめである。
悪者デヴィルは、北国のイメージで彼女の本拠地は雪深い地方というのも平凡である。

 ディズニー映画でありながら、舞台はロンドンである。
そのため、俳優たちはイギリス英語を話す。
クルエラを演じたグレン・クルーズは、アメリカ人だったはずだが、彼女もイギリス訛の英語を喋った。
言葉の問題はともかくとしても、グレン・クルーズが実に愉しそうに悪女役をやって、上手い役者だと感心させられた。
マーズ・アタック」では、顔の長さが目立ったが、今度はそんなことはなく、好演していた。

 西洋の動物映画を見るとき、いつもその扱いの上手さに感心すると同時に、動物は必ず人間に従うものだという強烈な人間中心主観を感じる。
動物も人間も一つの命としては、同じように神様に作られたという発想はなく、動物は人間の従者と考えているようだ。
そこが人間には心地よいのだが、疑問を感じるところでもある。
1996年アメリカ映画。


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