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アメリカの平均的な男性三人が、実にまじめに人生を生きていることが良く伝わってくる。 三兄弟に限らず登場する普通の人々が、自分の生き方や考え方を、しっかりと持っていることは感心させられる。 それをストレートに表す若い監督。 この映画には、有名な俳優は登場しない。 近所の知り合いや、友達だけである。 最初のシーンが、お父さんを埋葬した後、お母さんの「35年間、お父さんと一緒に暮らしてきたが、お父さんは死んだ。これからはアイルランドに住む恋人と一緒に暮らす。おまえたちは、私のような間違いを犯さないように」という台詞で始まる。 形式的な家族を否定して始まるこの映画には、パトリックの元恋人がユダヤ人なので結婚を考えるが、ほかの恋人たちは結婚するそぶりさえ見せない。
長男ジャックは、結婚五年目にして初めて浮気をするが、奥さんのモリーを愛しているので、愛情と肉欲のあいだで悩む。 彼女は、性交と夫婦愛は関係ないという。 次男バリーは、経費節減のため監督自身が演じており、そのぶん人間の分析が浅い。 三男のパトリックが面白い。 パトリックの次の恋人が、高校の幼なじみで、彼女は結婚式の朝、結婚をキャンセルしたのだという。 現代と、まともに取り組む監督の姿勢が、画面から感じられる。 いい映画は、お金をかけるか否かではない。 映画が最後によるところは、優れた脚本である。 ハリウッド映画には、若いカップルが圧倒的に多いが、この映画は一人の若い女性が多かった。 総合職として男性に互して働く女性が、男性なみの働きをしているうちに、女のおじさんにならないことを祈りたい。 この映画を一人で見に来ている女性たちが、いつまで映画を見続けるであろうか。 1995年のアメリカ映画。 | |||||||
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