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犯罪の多発するブルックリン。ニューヨーク市警55分署に勤務する、3人の警官の話である。 麻薬捜査官サル(イーサン・ホーク)は、妊娠中の奥さん(リリー・テイラー)と子供を抱え、引越しのためのお金が必要だった。 タンゴ(ドン・チードル)は、潜入捜査官としてギャングに潜入している。 そして、退職まで1週間の警官エディ(リチャード・ギア)。 3人は、まったく関係ない仕事をしている。
被害者は大学院に学ぶ黒人青年だった。 市民から激しい非難を浴びる。 警察は警備を強化するが、そう簡単には状況は好転しない。 タンゴは黙々と潜入捜査を続ける。 功を焦る警察上層部が、タンゴの親分のキャズ(ウエズリー・スナイプ)を、罠にかけて逮捕せよと迫る。 警部に出世させるという餌に、タンゴの心は動くが、ギャングとは言え命の恩人キャズを裏切るわけにはいかない。 板挟みになって、多いに悩む。 サルはタレコミ屋を殺すが、思ったほどお金が手に入らない。 麻薬捜査でギャングのアジトに侵入したとき、そこには大金があった。 捜査のどさくさにまぎれて、そのお金を猫ばばすることを企む。 しかし、捜査が中止。 彼は一人で盗みにはいる。 娼婦のチャンテル(シャノン・ケーン)のもとに通っており、退職後は一緒に暮らそうと夢見ている。 退職した日に、チャンテルに結婚してくれと言うが、あっけなく振られてしまう。 その帰り道、皮肉にも正義感が目覚めてしまう。 3つの話が、別々に進行するため、なかなか焦点が絞りにくい。 それでも、飽きさせずに見せていく。 やがて最後になると、偶然に3人が同じ場所へと収束していく。 もともと別の話だから、3人は絡みようがない。 エディとタンゴが殺されて、最後は何となく終わってしまう。 1つ1つの話が、それだけで1本の映画になる重さがある。 それを3つまとめるには、何か芯になる主題がなければならない。 場所が同じだというだけでは、説得力がなく散漫なままである。 堕落した警察官の話かと思えば、タンゴなど離婚されても任務を遂行している。 そうでもないようだ。 約200万円といったところだろうか。 これでは妻子を養えないという警察官同士の台詞がある。 殉職も多い。 エディの相棒になった新人警官は、正義感を発揮したら、たちまち殉職した。 警察官の労働環境は厳しい。 そのなかで、個々の警察官はこんなに頑張っているというのが、この映画の主題だろうか。 そう考えると、この映画の訴えることは良く判る。 原題は「Brooklyn's Finest」だから、ブルックリンで最も素晴らしいのは、警察官だと言うことにもなりかねない。 イーサン・ホークの演技が、鬼気迫るものがある。 毎度のことながら、ニューヨーク警察は映画の撮影に、ほんとうに良く協力する。 Brooklyn's Finest 2009年アメリカ映画 (2010.11.5) |
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