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群像劇というのだろうか、サスペンス映画というのだろうか。 1人の女性が消えた。 そこから、数組の家族たちが疑心安気になっていく様子を、カメラは丁寧に描いていく。 しかし、話の前提が日本とは違いすぎるので、何が言いたかったのかちょっと理解に苦しむ。
メンバーはドイツでドイツ女性との結婚に破れたアーマド(シャハブ・ホセイニ)、その妹ナジーと夫マヌチュール、セピデーの友人ショーレ(メリッラ・ザレイ)と夫ペイマンと3人の子供たちである。 そこに、セピデーの子供が通う保育園の先生エリ(タラネ・アリシュスティ)が混じる。 セピデーはアーマドの再婚相手に、エリを紹介したかったのだ。 3泊の予定だったが、エリは1泊で帰ると言いだす。 アーマドとの関係が不明な状態だったので、セピデーは強引に彼女を引き止める。 そんなとき、浜辺で遊ぶ子供たちの世話を頼まれる。 エリが2人の子供と凧揚げに興じているうちに、1人の子供アラーシュが波にさらわれてしまう。 子供の通報で、アラーシュは助けられ、九死に一生を得る。 しかし、その時にエリがいないことに気づく。 エリが子供を助けに海に入り、溺れてしまったのかと大騒ぎになる。 エリの素性を調べる声があがるが、セピデーは保育園の教員としか知らず、本名も知らなかった。 セピデーを問いつめると、エリには婚約者がおり、エリはその婚約者を嫌っていた。 そこでセピデーは、アーマドを引き合わせるために、この旅行に誘ったのだ。 婚約者がいながら、他の男と旅行するのは、イランでは大罪らしい。 エリは躊躇したが、セピデーが強引に誘ったのだ。 そのため、この旅行のことは、家族にも婚約者にも内緒だった。 しかも、本人は最初から1泊だけのつもりだった。 アラーシュを助けに海に入ったのか、黙って帰ってしまったのか、全員が疑心安気になったままだ。 母親に電話をするが、母親は彼女が一泊旅行に出ていることを知らなかった。 婚約者に連絡をとると、婚約者がやってくる。 我が国なら、婚約者がいて、こうした旅行にでても、これほど非難されない。 しかし、イランではふしだらな女と言うことになって、名誉がなくなってしまうようだ。 だいたいチャドルをかぶる習慣からして、じつに不可解である。 アラーシュが海に入っていくシーンが映される。 そして、エリの凧揚げに興じているシーンが、長く映される。 エリが熱中している様子が、これでもかとばかりに描かれる。 しかも、波の音がだんだん大きくかぶってくる。 これで子供が波にさらわれたことが予測できてしまう。 あとは予想どおりの展開で、最後にはエリは死体で上がる。 映画としても、あまり見るべきところはない。 英語のタイトルは、ABOUT ELLY 2009年イラン映画 (2010.10.21) |
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