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北朝鮮の収容所で、イヴリン・ソルト(アンジェリーナ・ジョリー)が拷問を受けているシーンから、映画は始まる。 やがて彼女は、捕虜交換によって釈放される。 CIAの上司であるウィンター(リーヴ・シュレイバー)が、そこへ迎えにでる。
彼女の夫が救出に熱心だったから、彼女は捕虜交換の対象にしたのだという。 夫はクモを研究している。 学者という設定だが、彼女にぞっこん惚れている。 しかし、クモの研究者というだけで、クモの毒が使われるなと予測できてしまう。 案の定、ロシア大統領の暗殺に、クモの毒がつかわれる。 CIAのエージェントであるソルトは、ソ連で育ち、スパイの英才教育を受けてきた。 そして、CIAに送り込まれる。 しかし、ソ連が崩壊し、彼女はアメリカへと忠誠心を変更する。 そのまま素性を隠して、勤務を続けていた。 ロシアからやってきた密告者オルロフ(ダニエル・オルブリフスキ)が、CIAの取り調べに、ロシア大統領暗殺のためソルトが送り込まれているという。 それを聞いたCIAは、ソルトに確認しようとするが、彼女はいち早く逃げ出す。 そこで彼女はロシアのスパイに断定される。 CIAとFBIから、追われる身になる。 オルロフによって、目の前で夫を殺されるが、あれが切っ掛けだったのだろうか。 それにしては、まったく動揺も見せなかったので、ちょっと無理があるように感じる。 信じていたものを変えるには、心理的な屈折があるはずで、ソ連からアメリカへでは大変な変心である。 ロシア大統領の暗殺に成功しながら、大統領が生き返るのは良いとしても、ちょっと無理がすぎる。 CIAの上司であるウィンターまでが、ソ連のスパイだったとなっては、一体どうなっているんだと思う。 ソルトだけではなく、アメリカ大統領にも接するCIAの幹部が、ソ連のスパイだった! CIAの身辺調査が、こんなに好い加減では、アメリカはすでに崩壊しているだろう。 いくら何でも、大統領の警護にあたるのであれば、「バンテージ・ポイント」が見せたように、素性の確認は入念に行われているはずである。 ソルトは主人公だから良いとしても、ウィンターまでロシアのスパイという設定はいただけない。 アンジェリーナ・ジョリーのワンウーマン映画である。 他に有名俳優はでていないし、ただ彼女のアクションが延々と続く。 「Mr.& Mrs.スミス」といい、彼女はアクション俳優としての地位を完全に確立した。 彼女のように細身の女性が、あれだけのアクションするのは、非現実的だとは思う。 しかし、映画だから許されるだろう。 アクション女優をかっこいいと感じる時代でもある。 いまや男性に負けずに、女優さんも身体を張る時代である。 可憐な優しさを売り物にする女性像は、もはやアメリカ映画には存在しない。 男性と同様か、男性以上に強い女性ばかりである。 我が国では専業主婦を温存し、女性像を古いままにおいてきた。 そのため、いまだに可愛い子が人気がある。 しかし、先進国の女性たちは、もう実力を売り物にしている。 アンジェリーナ・ジョリーの人気を見るたびに、彼我の差は大きく開いてしまったと思う。 「SALT」 2010年アメリカ映画 (2010.08.06) |
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