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優れた人造臓器が、自由に手に入る未来社会である。 臓器が壊れると、かんたんに人造臓器と交換する。 目玉であろうと、心臓であろうと、膝関節であろうと、何でもアリの社会である。 しかし、人工臓器は高価だったから、現金で買うのではない。 貧乏人はローンを組んで返済していくのだ。
住宅ローンで焦げつく人がいるように、ローンには返済不能になる人がでる。 住宅ローンなら、住宅を差し押さえてしまうのも良いだろう。 しかし、臓器を差し押さえて、取り外してしまえば、その人間は死ぬのだ。 にもかかわらず、返済が滞ったときには、容赦なく身体から臓器を取り去っていく。 臓器の回収を職業にしているのが、通称レポ・メンと呼ばれるレポゼッション・メンたちである。 レミー(ジュード・ロウ)は親友のジェイク(フォレスト・ウィテカー)と、ユニオン社のレポ・メンをやっていた。 回収したあと相手が死んでも、仕事と割り切っている。 それでも非情に取り去るのが、有能なレポ・メンである。 レポ・メンの仕事は、いわば殺人である。 レポ・メンは高給を稼ぐが、未来社会でも殺人は汚れ仕事であるらしい。 レポ・メンたちは犯罪者のような風体である。 レミーは心臓を取り出すべく、ショックを与えようとしたとき、機械の故障でレミー自身の心臓が壊れてしまう。 病院で目が覚めてみると、自分がユニオン社の人工心臓に繋がれていた。 有能なレポ・メンであれば、返済は容易いはずだった。 しかし、人工心臓にしてから、殺人もどきの仕事ができなくなってしまった。 レミーは仕事を受付に変えてもらうが、受付仕事にはまったく向いていない。 結局、レポ・メンに戻るが、たちまち返済が滞る。 すると、他のレポ・メンが彼の心臓をねらって、追いかけてくる。 奥さんとも不仲になり、スラムへと逃れていく。 スラムで出会ったベス(アリシー・ブラガ)と、レポ・メンから逃れる日々になる。 あと一歩と言うところで、国外逃亡が阻まれてしまう。 レミーたちはコンピューターの記録を消そうと、ユニオン社のコンピューター・センターに侵入する。 無事、記録を消去できたと思ったら、それは夢だったのだ。 親友であり、同僚でもあったジェイクに追われる。 そして、ジェイクに捕まるが、その時、頭に怪我をして神経細胞がやられる。 神経細胞を人工臓器に置き換えたので、ミレーは辛うじて生き延びた。 しかも、彼は人工の神経細胞で、願望通りの夢を見ていたのだった。 人工臓器のありがたさと、ローンを組み合わせたのは、いかにもアメリカの話である。 この映画は、それだけではない。 じつは心臓にショックを与えた機械の故障は、ジェイクの仕組んだものだった。 ジェイクは別離に耐えられずに、ミラーに人工心臓を組み込もうとした。 そうすれば、2人はいつも一緒に仕事ができると考えた。 奥さんから彼を取り戻したっかのだろう。 とてもホモジェニックな話だ。 しかし、レミーは自分に人工心臓を入れたあと、他人の人体を切り開くことができない。 だから、収入が激減してしまう。 ジェイクの誤算は、レミーが人工心臓をいれた後、レポ・メンの仕事を躊躇してしまったことだ。 仕事だと説得するが、もうミレーにはできなかった。 親友だもの、ジェイクはミレーを殺すことはできない。 最後には、レミーの返済を、ジェイクが支払い続けることで、裏返った友情を保ち続ける。 裏返った友情を言いたいがために、ここまで引っ張るのはちょっと無理がある。 レポ・メンが臓器を取り出すときのシーンが、生々しくてちょっときもい。 血がダメな人は見ないほうが良いだろう。 「REPO MEN」 2010年アメリカ映画 (2010.07.30) |
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