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売春婦もピンキリである。 立ちんぼとか、チョンノマといわれる売春婦は、安く男性の相手をする。 しかし、高級売春婦になると、誰かの紹介がないと相手にしない。 そして、その値段もとびきり高い。
昔のパリでの話。 立ちんぼの値段は200フラン位だったが、室内にいる売春婦は同じことをして1000フランだといった。 たしかに室内の売春婦は美人だった。 高級売春婦ならと考えると、値段はちょっと想像がつかない。 この映画の主人公チェルシー(サーシャ・グレイ)も、高級売春婦である。 1時間2000ドルというから、値段だけであれば、とびきりの高級だろう。 彼女は組織に属さずに、1人で商売をしていた。 これは危険なことだが、すでに何年か商売をつづけているのだろう。 彼女は、恋人のクリス(クリス・サントス)と、高級アパートで同棲している。 クリスは彼女の仕事を認めており、かろうじて共同生活がなりたっている。 客と恋人の位置。 私生活と客の要求などなど、さまざまな質問がとぶ。 彼女は答えたくない質問にはパスするが、映像がそれを補う。 主人公は実際にも、ポルノ女優だというので、それなりに近い生活なのかも知れない。 彼女は衣装にもお金を使い、最先端のファッションを身につけている。 そして、知的な情報にも目を配り、自分を磨くための自己投資を怠らない。 その彼女のウリは、本物の恋人と過ごすような売春婦というものだ。 組織に属さない彼女は、ネットでのSEOにも気を配っており、SEOのために週に1500ドル使おうとする。 スポーツジムでパーソナル・トレーナーをしているクリスは、彼女が客と週末旅行にでるというと、機嫌が悪くなる。 また、クリスが男性だけでラスヴェガス旅行に行こうとすると、今度は彼女の機嫌が悪くなる。 このあたりは彼女の職業からくるのか、ちょっと判断が付かない。 かつてはフリーの売春婦には、ヒモがついていた。 しかし、女性の自立は、売春婦をも自立させた。 この映画を見ていると、彼女の客は次の予約をしていく。 メールや電話もできるし、悩み事も打ち明けているから、ほんとうのガールフレンドのようだ。 違いがあるとすれば、彼女のほうが客に心を開かないことだ。 しかし、今度は相手のほうが、会うことを拒否してくる。 小さな子供のことを考えたら、彼女と親密な関係になれなくなったというのだ。 売春婦とガールフレンドの違いがなくなっているようだが、やはりお金でつくる関係は、愛情を維持できない。 愛情とは精神活動の産物だが、お金やセックスに影響を受ける。 この映画では、セックスにあまり大きなウェイトをかけていない。 人間関係は継続である。 それを考えると、売春婦とガールフレンドとは、明らかにちがうのだと知る。 「THE GIRLFRIEND EXPERIENCE」 2009年アメリカ映画 (2010.07.14) |
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