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日本の映画だが、1人を除いて、なぜか全編英語である。 海外での公開を予定しているのだろう。 「鉄男」のリメイクと言うが、話自体は第3話と見たほうが良いらしい。
ある日、突然にトムが車にひき殺される。 激怒するゆり子に促されて、トム殺しの犯人を追い始める。 バイオテクノロジーの優秀な科学者だったアンソニーの父ライド(ステファン・サラザン)が、妻の美津枝(中村優子)とともに、アンソニーを創ったことが判明する。 彼は怒ると、鉄に変身して全身が武器になる身体だった。 ライドは鉄の身体を、企業の協力を得て創っていたのだ。 にもかかわらず、人間の父親と母親のセックスから、なぜか鉄人間ができてしまった。 これは問わないことにしよう。 とにかく怒ると鉄人間=弾丸男になってしまうのだ。 トムを殺した男(塚本晋也)と、秘密を守ろうとする企業からの暗殺者とから、アンソニーは追われる。 もちろん全身が武器の男だから、彼は勝つのだ。 それだけの話だが、その過程が独特の映像で、轟音と共に展開していく。 この映画は、本人がリメイクしている。 最初の作品は、モノクロだったのだろうか。 この映画もセピア調あり、モノクロあり、カラーありと、なかなかに凝ったつくりだ。 アンソニーとライドは、外国人が演じているので英語は滑らかだが、日本人が喋る英語には問題がある。 たしかに英語ではあるのだが、どう聞いても日本語なのだ。 発音は言うに及ばず、日本語を横文字に置きかえただけ。 日本語を英語で聞いているようで、台詞自体がとても不自然である。 あんな英語はない。 英語の台詞にするなら、最初から英語の脚本を書くべきだ。 この映画の原作は、好評だったらしい。 この映画で、塚本晋也監督は評価を確立し、それなりの世界では有名人である。 原作の時代には、パソコンもメールも使われてなかっただろう。 そのため、今風にリメイクしたのだと思う。 前衛映画と言ってしまえば、それまでである。 主題などを云々するのではなく、劇画と轟音を楽しむものかも知れない。 しかし、原作が古いせいか、ライドと美津枝の関係など、全編を強烈な男尊女卑的な空気が流れている。 研究者は男性で女性は補助者とか、復讐するのは男性で、女性は添え物に過ぎない。 主題を云々しないまでも、映画の背景を支える状況は現代的であって欲しい。 主題を論じないとすると、本サイトが評価する基準には乗ってこない。 劇画映画「カムイ」を思いだした。 「鉄男 THE BULLET MAN」 2009年日本映画 (2010.05.24) |
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