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ジョン(オーウェン・ウィルソン)とジェニー(ジェニファー・アニストン)が結婚した。 そして、子供ができるまで、犬を飼うことにした。 ラブラドール・レトリーバーを選んだはいいが、200ドルと兄弟のなかでバーゲン価格だったせいか、飼い主の命令を聞かなかった。 マーリーと名付けて飼い始めたが、問題が次から次と噴出する。
飼い主の言うことを聞かない。 飼い主が犬に振り回される。 だいたい想像はつくだろう動物コメディである。 ひとつひとつのエピソードは、あえて書くまでもない。 むしろ書くべきは、人間の行動のほうだ。 2人はともに新聞記者である。 結婚と同時に、フロリダへと移住する。 ジョンは幸運にも就職でき、やがて記者からコラムニストへと変わる。 新聞社の花形はコラムではなく、レポーターと呼ばれる記者が書く記事が目玉である。 ジョンは落ち込むが、彼の書くコラムが意外にも好評で、終身雇用まで約束される。 やがて子供ができ、彼(女)らは幸福の絶頂である。 マーリーが赤ちゃんに悪戯するかと心配したが、幸い赤ちゃんには手をださない。 子供が一人のうちは、ジェニーも復職するつもりだが、2人目が産まれると、専業主婦になる決意をする。 そして、3人目の誕生。ここで、ジョンが落ち込む。 コラムニストでも収入は多い。 豊かな生活を営むジョンは、40歳になっていた。 一生を地方紙のコラムニストとして終わるのかと、自分の人生をみつめる。 彼は子供との平和な生活とひきかえに、出世をあきらめていた。 フィラデルフィアの新聞社からのスカウトも断った。 ふさぎ込むジョンに、ジェニーはフィラデルフィアへ行こうという。 その言葉にしたがって、一家はフィラデルフィアへ移住する。 フィラデルフィア郊外の豪邸に住み、子育てに励む日が続く。 しかし、やがてマーリーが老衰から、死を迎える。 マーリーの死は、病院で安楽死である。 しかも、まるで人間の死と同じように、臨終の儀式がある。 ペットは完全に家族の一員である。 アメリカでもかつてはペットの扱いも冷淡だったろう。 しかし、いまやペットは人間並みである。 我が国でもペットが、人間同様に扱われている。 登場する電化製品などから判断すると、この映画は時代設定が古く、おそらく20〜30年くらい前だろう。 だから、ジェニーが子育てと仕事のあいだで悩むのだし、専業主婦の道を選ぶのだ。 いまなら、彼女が職業を放棄することなど考えられない。 ペットが人間並みになっていくことと同時に、時代の進行を感じる。 しかし、いまこの映画を撮る必然性は何だろうか。 よく売れた原作だというが、原作にはセバスチャンが登場しないという。 大きく改作しているのだから、もう少し撮りようがあったと思う。 原題は「Marley & Me」 2008年アメリカ映画 |
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