|
||||||||
姉レイチェル(ローズマリー・デウィット)の結婚のために、施設から一時帰宅を許された妹キム(アン・ハサウェイ)の話である。 バックマン家の長女レイチェルは、素敵な恋人と結婚する。 そのために、バックマン家は大忙しであった。
キムは麻薬におぼれて、更生施設に入っていた。 家に戻ったキムは、自分が中心ではないことから、疎外感をもってしまう。 結婚式の準備が進むなか、姉ら家族と衝突し、父親(ビル・アーウィン)は何とか穏便にすませようと苦闘する。 映画がすすむにつれて、キムの前歴が明らかになっていく。 バックマン家には、イーサンという弟がいた。 しかし、キムは麻薬でハイになった状態で車を運転し、橋から転落しイーサンを死なせてしまっていた。 それから彼女は、ますます麻薬にのめり込み、まわりの人々に迷惑をかけ続ける。 それもあってか、両親は離婚してしまった。 そんなバックマン家にとって、レイチェルの結婚は採光の晴れ日だった。 優等生の姉レイチェルは、キムにはずいぶんと苦労してきた。 辛抱もしてきたし、キムに助力をしたこともあった。 しかし、結婚式の今日だけは、自分が中心になりたい。 そんな彼女の希望は、キムにはなかなか通じない。 多くの友人や親戚が集まるなか、家族の葛藤が続く。 結婚式の前々日から結婚式までの短い期間だが、映画は問題児の厳しい現実を、ほろ苦いタッチで描いていく。 家族である以上、キムと絶縁するわけにはいかない。 しかし、トラブル・メーカーのキムと何とか穏便に過ごしたい。 手を差し伸べるつもりもあるが、なかなかキムの心には届かない。 おそらく些細なことから、麻薬にはまってしまったのだろう。 いちど麻薬にはまると、人格が変わってしまう。 イーサンを死なせてしまったから、両親が離婚してしまった。 それだって、麻薬さえやっていなければ、離婚には至らなかった。 この映画も、一種の反麻薬キャンペーン映画だろう。 麻薬をやるシーンや、麻薬でハイになっているシーンは、一度もでてこないけれど、麻薬がすべてを壊してしまった。 しかも、麻薬患者といえども、1つの人格であり、大切にしなければならない。 新郎の親友は、やはり麻薬患者だったが、いまでは完全に立ち直っている。 先進国の麻薬は、困難な問題である。 黒人からラテン系、アジア人とさまざまな人種が登場する。 白人のレイチェルが夫に迎えるのは、黒人である。 多様性への配慮だろうか。 キムとレイチェルの対立軸がはっきりしているので、物語は混乱なく順調にすすむ。 離婚した母親にデブラ・ウィンガーがでていたが、他には有名俳優は出演していない。 しかも、一軒家を貸し切ってのロケで、ずいぶんと安く仕上がっている。 手持ちのカメラが揺れ動いてしまい、見づらかったのと、露出が不適切だったのだろう、発色が悪いシーンが多かった。 原題は「Rachel Getting Married」 2008年アメリカ映画 |
||||||||
|
||||||||
<TAKUMI シネマ>のおすすめ映画 2009年−私の中のあなた、フロスト/ニクソン 2008年−ダーク ナイト、バンテージ・ポイント 2007年−告発のとき、それでもボクはやってない 2006年−家族の誕生、V フォー・ヴァンデッタ 2005年−シリアナ 2004年−アイ、 ロボット、ヴェラ・ドレイク、ミリオンダラー ベイビィ 2003年−オールド・ボーイ、16歳の合衆国 2002年−エデンより彼方に、シカゴ、しあわせな孤独、ホワイト オランダー、フォーン・ブース、 マイノリティ リポート 2001年−ゴースト ワールド、少林サッカー 2000年−アメリカン サイコ、鬼が来た!、ガールファイト、クイルズ 1999年−アメリカン ビューティ、暗い日曜日、ツインフォールズアイダホ、ファイト クラブ、 マトリックス、マルコヴィッチの穴 1998年−イフ オンリー、イースト・ウエスト、ザ トゥルーマン ショー、ハピネス 1997年−オープン ユア アイズ、グッド ウィル ハンティング、クワトロ ディアス、 チェイシング エイミー、フェイク、ヘンリー・フール、ラリー フリント 1996年−この森で、天使はバスを降りた、ジャック、バードケージ、もののけ姫 1995年以前−ゲット ショーティ、シャイン、セヴン、トントンの夏休み、ミュート ウィットネス、 リーヴィング ラスヴェガス |
||||||||
|