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ケネディ大統領暗殺やベトナム戦争など、歴史的事件の裏側に介在してきた“監視者”と呼ばれる存在。そのうちの1人が何者かに殺されたことから、かつて仲間だった顔のない謎の男が真相解明のために調査に乗り出す、と映画案内には書かれている。 しかし、よく判らない映画だった。
監視者と呼ばれる集団が、旧式の劇団のようなのだ。 その1人1人は屈強らしいが、なにせ漫画のような集団である。 話は1977年に政府から、監視活動を禁止されたが、残党が生き残っていた。 そんなとき、監視者の1人だったエドワード、通称コメディアンという男が殺された。 すると、監視者の1人だったロールシャッハという覆面の男が、監視者たちの周辺を探りまわる。 アメリカとソ連が核戦争の危機にたっている。 それを防ぐために、2つの道があった。 1つは政府間の交渉。 もうひとつは、別の大きな危機を作りだして、両政府の関心をそちらに向け、核戦争を回避する。 政府間の交渉には、Dr.マンハッタンというスーパーマンが絡んでいたが、地球人のエゴに愛想を尽かして、火星へと逃げてしまった。 彼はDr.マンハッタンの超能力を封印しつつ、ニューヨークに爆弾を仕掛け、それをDr.マンハッタンに仕業に見せかける。 小さな犠牲で、地球を救おうという計画である。 小さな犠牲といっても、大きな街全体が消滅するくらいの大きな犠牲である。 なんとそれが成功する。 シルク・スペクターがDr.マンハッタンの恋人だったが、超能力についていけずに、通常人であるナイトオウル(ジャッキー・アール・ヘイリー)へと乗り換える。 しかし、Dr.マンハッタンとの関係が切れないうえに、メカメカな空飛ぶ偵察船のなかで、ナイトオウルと全裸でことに及ぶ。 これもよく判らない。 硬い金属のうえで、裸は痛そう。 おそらくアメリカン・コミック漫画のような原作があり、そのマニアたちには常識なのだろう。 観客が若い男性ばかりで、いかにもオタッキーな雰囲気で、やや不気味だった。 地球を救うために、犠牲はやむを得ないとか、強姦されたが妊娠したので相手に感謝しているとか、といったメッセージがとても気になった。 また暴力の賛美もいただけない。 難しいこといわずに、娯楽映画としてみればいいのだろうが、それにしてはお金がかかっており、リアルな画面が連続する。 同じアメ・コミ物でも、「ダーク ナイト」は分かりやすかったが、こちらはよく判らなかった。 監視者を監視するのは誰かといった問題や、正義の定義など、「ダークナイト」と同じ問題を扱ってはいる。 しかし、この映画のほうが、具体的な人物や状況設定が強く、1つ1つに何かを託しているのだろうが、それが読みとれないのだ。 それとDr.マンハッタンというスーパーマンを登場させているのも、話をわかりにくくさせている。 監視者たちの仲間割れでも話はとおる。 映像には力がある。 画像は退屈させることなく、2時間43分の長丁場をそれなりに見せる。 2009年アメリカ映画 |
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