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残酷なシーンもないし、きわどいベッドシーンもない。 歌って踊って、ちょっとひねったハッピーエンド。 地中海の小島に、素朴風な人たちが、楽しくそうに暮らしている。 映画はテンポ良くすすむ。 最高のデート映画である。
公開初日に映画館に行ったら、満員で入れなかった。 どうしたわけが世界的に人気のある映画で、我が国でも人気の映画である。 たしかに楽しい時間だった。 ミュージカル仕立てで、出演者たちも楽しんでいたようだ。 しかし、ミュージカルが流行るのは、不景気のせいだからという気もするが。 シングルマザーであるドナ(メリル・ストリープ)の娘ソフィ(アマンダ・セイフライド)が、結婚することになった。 ソフィは自分の父親を知りたいが、3人ばかり可能性があり、1人に決められない。 そこで、母親のドナには内緒で、3人に結婚式の招待状を出した。 サム(ピアース・ブロスナン)、ハリー(コリン・ファース)とビル(ステラン・スカルスガルド)の3人は、招待状をもらって勇んでやってくる。 物語は血縁の父親探しと、若者の結婚式への憧れと戸惑いなどなど、てんやわんやのドタバタ劇である。 現代の若者らしく、結局、ソフィは結婚という制度を選択しない。 結婚式はドナとサムが結ばれる顛末になる。 結婚式にやってくるドナの友人、ロージー(ジュリー・ウォルターズ)とターニャ(クリスティーン・バランスキー)が、じつに芸達者である。 最近のミュージカルは、ふつうに喋っていた人が、突然に歌い出すという不自然さが少ない。 歌う部分と喋る部分が、自然につながっており、いつの間にか歌っている。 もちろん、ダンスも自然で、物語のなかに馴染んでいる。 アバ(ABBA)の曲を使っているのも、ノリが良くて楽しい雰囲気つくりに役立っている。 ヒット・ミュージカルを映画化したという点は、「シカゴ」と同じである。 しかし、当サイトが絶賛した「シカゴ」のようには、特別に取り上げるべき点はない。 室内のシーンが多かった「シカゴ」にたいして、屋外のシーンがほとんどだったことも、ミュージカルとしては不利だったのだろう。 だから、ミュージカルの映画化を、云々すべきではないかも知れない。 しかし、ミュージカルが流行るのは、映画が低迷期なのだ「サウンド オブ ミュージック」にしても、「ウエスト サイド ストーリー」にしても、1960年代前半の作品で、映画の低迷期につくられた作品である。 その後、「ボニー アンド クライド」や「卒業」など、アメリカン・ニューシネマが台頭していくのは、周知の通りであろう。 歌って踊っていれば、面倒な現実を見なくてもすむ。 ミュージカルは楽しい世界に没入し、現実から目をそらさせる。 そんなこともあって、ミュージカル映画があまりヒットしては困るのも、映画ファンとしては痛し痒しである。 ところで、3人の父親候補のうち、1人がゲイに変わっていたというのも、現代的なのだろうか。 「Mamma Mia!」 2008年アメリカ映画 |
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