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| 評判のアニメで、小さな子供たちが、狂ったように「ポニョ」を歌っている。 ちょうど＜泳げ鯛焼き君＞が流行ったのと、よく似ている。
映画は冒頭から、とても美しいシーンで始まる。 手書きのファンタジーというのだろうか、やさしく淡い色彩で、気持ちのいい海中シーンが続く。 何分くらいだろうか、海の中に遊んでいると、映画のタイトルがあらわれる。 ここから映画が始まる。 最初に、まだ魚の姿をしたポニョが、崖の上の一軒家に住む５歳の男の子・宗介と出会う。 ポニョは宗介を好きになり、宗介もポニョを好きになる。 しかし、海から来た父親に、海へと連れ戻されてしまう。 宗介に会いたいポニョは、海の中から飛び出していく。 ポニョが宗介に会いたかった理由は問わないとしても、なぜ父親が海の中の暮らしを強制するのか、母親とはどういった関係なのか、などなど不明な要素が多い。 そして、突然に登場する母親は、巨大な美神である。 しかし、ストーリーを云々すべき映画ではないのだだろう。 宮崎アニメの定番といったデザインが続き、これはこれで１つのスタイルを創った。 継続は力である。 「風の谷のナウシカ」以来、彼は女性への思い入れが強い。 今回は、女性賛歌といった趣で、とにかく元気な女性たちである。 宗介の母親も元気なら、ポニョはもっと元気である。 しかも、自分から意思表示するのは、見ていて気持ちがいい。 そして、ポニョの母親と宗介の母親は、母親という理由だけで対等な立場で対する。 ポニョは魔法が使えるのだが、その能力を捨てて人間になるという。 それには彼女を愛する人が必要で、宗介が身元引受人というわけだ。 今回は、説教臭さが影をひそめてはいるが、映画としては平凡である。 映画が始まる前には、ポニョを口ずさんでいた子供たちが、映画の最中はほとんど笑わなかった。 秀作を創るのは、ほんとうに難しいのだろう。 ２００８年日本映画 （２００８．０８．０６） |
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