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冒頭で、実話にもとづくと文字で説明される。 しかし、これが本当の話なのだろうか。 実話だとすると、大変な話だ。 1980年代の話、アフガンでの戦争はソ連が敗れたというが、援助国の話はそれほど大きな話題にならなかった。
アフガニスタンにかぎらず途上国が、大国と戦えば、あっという間に負けるのが当然である。 ベトナム戦争という歴史があるから、小国が大国に勝てるかのように思いがちだが、 中国やソ連が援助したから勝てたのであり、ベトナムだけではアメリカに勝てなかった。 映画では下院議員チャーリー(トム・ハンクス)の正義感と、 アフガンからの援助依頼に応えた形になっているが、それだけではないだろう。 1980年代には冷戦が続いており、アメリカはアフガンで代理戦争を仕掛けたのじゃないだろうか。 実態は、ソ連をたたければ好都合と、渡りに船だったのではないか。 しかし、映画の話では、アフガニスタンの悲惨な現状に感じたアメリカの下院議員が、 テキサスの大富豪ジョアン(ジュリア・ロバーツ)と組んで、ソ連撃退作戦を遂行したことになっている。 実行部隊になったのは、CIAを干されたガスト(フィリップ・シーモア・ホフマン)である。 しかも、この作戦は極秘裏に行われたのだ。 それが非公開の委員会だけで、軍事援助が数億ドルの金額までふくれあがる。 しかも、アメリカから直接に援助すると差し障りがあるというので、ソ連製の武器をアフガン・ゲリラに送り込む。 ソ連製の武器を大量に入手できるのは、共産圏と関係の深い国である。 そこでエジプト等を巻き込み、一種のマネーロンダリングをやる。 このとき、なぜアメリカが表に出たくなかったのか、そのあたりの事情がよく判らないが、世界は権謀術策の見本である。 映画は、酒と女に目がない下院議員チャーリーを、 お気楽な主人公に設定しているので、およそ政治物とは違うタッチである。 テキサス出身の彼は、ほとんどノンポリで、投票には何の原則もない。 そのために、ほかの議員には貸しをたくさんもっていた。 これも本当?と思えてくる。 いくら1980年代だとはいえ、美人しか採用しなかったら、大問題だったろう。 そのうえ、勤務中からお酒を飲んでいる。 どこまでが本当なのだろうか。 ちょっと気になったのは、話がアメリカ国内向けになっていることだ。 ハリウッドは外国へも輸出できるから、映画でお金が稼げるのだ。 世界を意識して映画を作っていたから、海外でも受けいれられたはずである。 それが国内事情に通じていないと、よく判らない映画をつくっている。 大統領選挙もあるし、アメリカはモンロー主義的に、内向きになりつつあるのだろうか。 内向き映画が続いている気がする。 秘書のチャーリーズ・エンジェルズたちのほうが、ジュリア・ロバーツよりはるかに美人なのに、 なぜジュリア・ロバーツは美人と言われるのか。 この映画でも、やっぱり判らなかった。 2007年アメリカ映画 (2008.05.21) |
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