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ニューヨーク市警察の敏腕刑事だったジャック(ブルース・ウィリス)は、足に怪我をおって第一線を退いていた。 そして、今では酒浸りになって、定年を待っていた。 そんな彼が、被疑者のエディ(モス・デフ)を、留置場から16ブロック先の裁判所まで、護送することになった。 簡単な任務だったが、その被疑者は警察内部の犯罪を立証するための証人だったので、警察官たちから命を狙われることになった。
本来なら30分もあればすむ護送だったが、悪徳警察官たちの襲撃が始まり、裁判所への道はとてつもなく長いものとなった。 ブルース・ウィリスは歳をとったせいでか、いつものような派手な行動は見せず、屈折した性格だけを引き継いでいる。 そして、被疑者のエディは黒人特有の喋り方で、延々と喋り続け、それが見せ物・聞かせ物になっているのだろうが、日本人の我々には馴染めない喋りである。 この映画は、主題といったものを論じるまでもなく、チャイナ・タウンで繰り広げられる活劇を楽しむものだろう。 大勢の人たちでごった返すチャイナ・タウンは、すべてがエキストラなのか、映画とは関係のない人たちなのか、ちょっと区別が付かない。 しかし、それにしては自然な人の流れである。 群衆には気づかれないように、手持ちカメラをそっとまわした、と考えた方が当たっているかも知れない。 チャイナ・タウンはしばしば映画の舞台になる。 今回も、地下の厨房や機械室など、へーと思える場面がたくさんある。 ジャックが市バスをバス・ジャックして、市内を暴走させるが、その頑強な車体には驚かされる。 何台ものパトカーを踏みつぶし、4輪ともパンクしたまま暴走する様は、尋常ではない。 アメリカ映画では、警察官の悪事がしばしば描かれる。 物語としては面白く、正義と悪がひっくり返るのは、我が国のヤクザ映画といったところなのだろう。 しかし、実際もあんなに腐敗しているのだろうか。 ちょっと想像できない感じもあるが、お話としては面白い。 証人がエディからジャックに代わるのは良いとしても、もう少し仕掛けがあっても良さそうだ。 それに悪人が改心するというのは、アメリカ的ではない。 しかも、最後に相手の証言をテープ録音するのは、彼がバスのなかでマイクロカセットを、手にしたときから見えていた。 だから、悪徳警官フランク(デビッド・モース)と対峙したとき、フランクに喋らせるているのはテープに録るためだと、すぐにわかった。 案の定、その直後にテープが証拠になった。 ブルース・ウィリスがずいぶんと痩せており、役作りのために苦労したのだろう。 最後のシーンでは、かつての太った身体になっていたから、順番を逆にして最後から撮影したのかも知れない。 いずれにせよ、アクション俳優は年齢との戦いであるのは間違いない。 2006年アメリカ映画 (2006.10.25) |
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