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翻訳には困ったろうが、もう少し考えようがありそうなものだ。 ナンシー(ドリュー・バリモア)とアレックス(ベン・スティラー)は、掘り出し物の住宅を発見した。 上下2階建ての2世帯住宅で、上の階には老女が住んでいたが、好物件なので思わず買ってしまった。 アパートは年代物だが、暖炉が3ヶ所もあり、広さも167uとゆったりしていい雰囲気だった。 しかし、この婆さん(アイリーン・エッセル)が食わせ者だった。 彼女は階下に引っ越してくる人たちに、嫌がらせをするのを生き甲斐としていた。 彼等に徹底した嫌がらせをして、結局追い出してしまう。 しかも、この婆さんは不動産屋とグルになっており、買ったときの値段とは想像もつかない安値で買戻し、後で山分けをしていた。 この嫌がらせが、傷口に塩を塗るようなもので、見ていて耐えられなくなる。 ダニー・デビートが監督をしているので、ただでは済まないと思っていたが、嫌がらせのやり方が執念深く、救いがない。 わずかに若い夫婦が、弱者に対する思いやりを失わないことが救いだろうか。 しかし、この思いやりが仇となるのだから、物語全体が不愉快きわまりない。 この映画は明らかに、お笑い映画として作られている。 最初のうちは、笑っていられる。 しかし、徐々に顔が引きつってくる。 この程度の映画を笑いのめすことができないと、アメリカ人の笑いについていけないのか。 そんなことはないだろう。 弱者の偽善性を暴いたといえば、それまでであるが、もう少し違った作りにできるだろう。 ドリュー・バリモアとベン・スティラーが、制作にも絡んでいるのだろうが、お手軽な映画製作である。 主題といえば、せいぜいが老人の居直りへの批判といったところだろうか。 我が国の老人は弱者だったかも知れないが、西洋諸国ではこうした婆さんは、いかにもいそうである。 この婆さんを心底憎々しく思うのだから、演じたアイリーン・エッセルは名演なのだろう。 それにしても、後味の悪い映画だった。 2003年のアメリカ映画 (2005.07.10) |
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