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外国の飛行場に到着した後、自分の国が崩壊したら、どうなるか。 パスポートは無効になるし、もちろんビザも効力がない。 ビクター(トム・ハンクス)はニューヨークの飛行場に着いたとたんに、自分の国がクーデターで消滅している境遇に陥った。 彼は英語も話せず、アメリカに知人はいない。 1人で逆境を乗り切らなければならない。
世界が国家でつくられている現在、国家に裏付けされたパスポートが無効になると、出国も入国もできなくなる。 祖国の崩壊に直面した彼は、アメリカにも入れないし、飛行場から立ち去ることができなくなってしまった。 飛行場の国際線乗り継ぎロビーは、法の谷間だった。 彼はそのまま飛行場に住むことになる。 人は激しく行き交うが、誰もそこには住んでいない。 飛行場は住む目的で造られた建物ではない。 しかし、広い飛行場のこと、何とか住む場所を見つけ、おまけに金を稼ぐようになる。 彼を監視する飛行場警備主任のディクソン(スタンリー・トゥッチ)は、法律の谷間にいる彼を目障りに感じて、何かと注文をつける。 ディクソンは手出しをしないまま、時間が過ぎていく。 やがて祖国に平和が戻り、彼は帰国できるようになるが、この映画は約半年間にわたり飛行場に住んだ物語である。 スチュワーデスのアメリア(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)と仲良くなり、一時は恋人近くまで行く。 彼女は妻子ある男性と付き合っているので、待ちぼうけの日々である。 恋人からビクターに乗り換えるそぶりもあったが、そうは上手く行かない。 彼はやっぱり捨てられてしまう。 飛行場の裏方で働くグプタ、マルロイやエンリケらと親しくなり、日々を楽しんでいくビクター。 逆境に1人で立ち向かうのは、いかにもアメリカ人好みの話である。 映画はそれなりに見せるが、物語の作りに無理がある。 飛行場は所詮、通過の場所であり、そこでの生活が定着するのは無理である。 登場人物もエピソードも強引であり、主題が薄い。 主題のない映画も良いが、エンターテインメントしてくれないと、観客は楽しめない。 トム・ハンクスやキャサリン・ゼタ=ジョーンズが出演し、スティーブン・スピルバーグがメガホンをとっているのだから、それなりの作品を期待する。 今回は失敗作といったほうが良い。それとも、スティーブン・スピルバーグも歳で、耄碌してしまったのだろうか。 2004年アメリカ映画 (2004.12.31) |
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