タクミシネマ         スパイダー マン 2

スパイダー マン 2   サム・ライミ監督

 人気を博した前作の続きである。
この手の映画は、ポップコーンを手にして、気楽に見るものだろう。
2作目と言うことも手伝って、やや冗漫になっている。
それでもスパイダーマンが、空中を踊るように渡っていくシーンは、なかなかにカッコ良い。
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 正義の味方スパイダーマンが、普通の男の子になるべきか、特殊な才能を生かして世のために生きるか迷うのが、今回の主題である。
1作目と登場人物は同じで、主人公ピーターはトビー・マグワイヤーで、ヒロインのMJはキルスティン・ダンストである。
しかし、悪の超人ゴブリン(ウィリム・デフォー)は、おそらく第三作への布石だろう、最後にちょっとだけしか登場しない。


 今回の悪役は、人工知能を搭載する4本の人工アームをもつドクター・オクトパス(アルフレッド・モリーナ)である。
彼は核融合反応の実験に挑戦すると同時に、人工アームを開発し、自分がそれを装着する。
しかし、核融合の実験に失敗し、大災害をもたらしそうになる。
そこで登場するのが、スパイダーマンなのだが、正義に生きることに迷っているので、空中を渡り歩けなくなってしまう。

 心を寄せるMJが、他の男と結婚しそうになり、彼は落ちこんでしまう。
最後には、MJが結婚式場から、彼のところへ駆けてきて、目出度し目出度しとなる。
今回のMJの対応で感心したのは、最後の瞬間まで「あなたは私を愛しているの?」、と聞き続けながら、最後には自分から「愛している」と言うことだ。


 ピーターはスパイダーマンとい秘密の顔をもっており、MJを危険な目に引き込みたくない。
そのため、愛しているかと聞かれれたも、はっきりとした返事ができない。
煮え切らない返事に業を煮やしたMJは、他の男性と結婚しようとする。
しかし、どうも吹っ切れない。

 教会で結婚式まで行いながら、その結婚式をすっぽかしてしまう。
その足で、彼のところにやってきて、「愛している」という。
つまり、あなたが私を愛しているかではなく、自分が相手を愛していることが大切なのだ。
それに気付いて彼女は、ピーターのところにやってくる。
通俗的なお話だが、やはり現代の女性は自立している。

 他の映画で見せるキルスティン・ダンストは、いかにも地でやっていますという演技である。
それを見ると、性格的には現代的なはずなのだが、この映画では古典的な女性を演じている。
彼女の演技が不自然な感じで、猫をかぶっている感じがする。


 最初のうち、ピーターが遅刻ばかりして、今一のところで好機を逃す。
同じパターンが、何度も繰り返されて、やや飽きてくる。
話の筋は自明で、特別の驚きはない。
トビー・マグワイヤーがしょぼくれたときと、自信に満ちているときの違いを、実にはっきりと演じわけていた。

 充分な照明が確保されていたのだろう。
カラーの発色が素晴らしく、またピントがバチバチに来ており、シャープな画面を堪能できた。
撮影監督としてビル・ポープと言う名前がクレジットされている。
若いカメラマンだが、基礎がきちんとしているのだろうか。
2004年アメリカ映画
(2004.08.20)

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