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映画のハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)も、小説同様に大ヒットした。 そのため、本作で3作目となった。 この映画も、他の連続ものと同様に、シリーズが続くと散漫になるという弊害からは逃れてはない。 そのうえ、子供を主人公にしているので、子供が成長してしまい、第一作のような可愛さがなくなった。 しかし、映像の美しさが、それらを補って余りある。
人間界では魔法を使ってはいけないというのが、魔法使いの世界の掟らしい。 ハリーが居候させてもらっている叔父さんの家での待遇が余りにひどいので、ハリーは堪忍袋の緒を切らして、魔法を使って復讐をしてしまう。 もちろん許されないはずなのだが、今回はおとがめなし。 アズカバン監獄から、脱獄した魔法使いシリウス・ブラック(ゲイリー・オールドマン)と、吸魂鬼ディメンターがハリーの命をねらっているという。 どこから出た噂だか判らないが、シリウス・ブラックが脱獄したのは事実らしい。 シリウス・ブラックを交えた展開が、ホグワーツ魔法魔術学校で始まる。 今までの話は、魔法学校の内部でのいざこざだったが、今度は外部の魔法使いが学校へ侵入するという設定である。 そのため、ロン(ルパート・グリント)やハーマイオニー(エマ・ワトソン)らはともかく、ライバルだったドラコ・マルフォイ(トム・フェルトン)の存在が少し希薄になって、ハリーの大物ぶりが際だって目立ってきた。 シリウス・ブラックはハリーの両親を殺したと言うことになっていたが、実はぬれぎぬで無実だというのが徐々に明らかにされる。 前作、前々前作と、クリス・コロンバン監督だったが、今回はメキシコ生まれのアルフォンソ・キュアロン監督が、メガホンをとっている。 彼は大学で映画と哲学を学んでいるが、哲学的な展開よりも、ヴィジュアル的な才能の方がありそうである。 主題に関しては、元々この映画が親子物として展開されているので、古いとしか言いようがない。 世界的なヒットを獲得するには、革新的な主題を先鋭的に展開してはならず、すでに馴染みの主題をちょっとかえて語るほうが良い。 新奇な主題は、受け入れる人が限られるし、馴染みのある主題だと、安心して物語に入っていける。 新たな主題は、見るほうがいちいち判断を迫られるので、娯楽作品としては一般性を獲得できない。 ハリーは死んだ両親の思い出に生き、叔父さんや叔母さんに虐められる。 こうした主題は、近代以前、もしくは近代に入ってすぐなら、共感できたが、子供が少なくなった今では、なかなか共感できなくなっている。 といっても、こうした作品は難しいことを言わずに、ただ楽しんでくればいいのだろう。 2004年アメリカ映画 (2004.07.09) |
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