タクミシネマ          トゥーム レイダー

トゥームレイダー
サイモン・ウエスト監督

 アメリカ製アクション・ゲームの映画化らしく、ドンパチドンパチの連続で、単純きわまる映画である。
こうした映画が好きな人には、良いのかもしれないが、見終わって何も残らなかった。


 
トゥーム・レイダー [DVD]
公式サイトから
主人公ララ(アンジェリーナ・ジョリー)は、父親が遺した秘宝を巡って、抗争に巻き込まれる。
というより、自分から抗争に飛び込んでいく。
映画で父親を演じるのが、実の父親でもあるジョン・ボイドだというのは、ちょっと驚きだ。
彼女は深窓の令嬢だが、ドンパチ・アクションが大好き。
朝起きると、ロボット相手に一戦を交えてから食事である。
なかなかにすごい設定である。

 秘宝を巡って、舞台はカンボジアからヴェニスへ、そして北極らしき北国へと展開する。
もちろんCGIを多用した派手なアクションは、興ざめなほどにすごい。
アンジェリーナ・ジョリーが、見事な肢体をくっきりとあらわした服装で、さっそうと活躍する。
それでなくても大きな彼女の胸に、なおも詰め物をしてその立派さを強調しているが、派手なアクション中でもまったく揺れない美しさである。


  アクション大好き女性でありながら、その実は深窓の令嬢が理想というのは、アメリカでも少年たちは幼稚なのだと安心する。
少年時代は、男性ホルモンの完全支配下にいる。
だから少年たちは、男女の性別役割が極端に違う時代に生きている。
非力な女性はお嬢様が理想で、それでいながら自分たちのマッチョさも理解してほしい。

 男女の性別という生理的な支配から、徐々に脱していくのが成人ということであり、男性ホルモンは成人するに従って減少するに違いない。
それにたいして、女性は妊娠・出産を経験するあたりで、女性ホルモンが最大になるのだろう。
いずれにせよ、性別といった事実から自由になることが、人間の成長である。
性別での切り分け=性別による役割分担は、幼稚な時代の仕組みである。
2001年のアメリカ映画 

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