自分では他の人と仲良くなりたいのに、人間関係の距離の取り方が不得手で、仲間外れにされる男性エリオット(ブレンダン・フレイザー)がいた。 彼は同じ会社の女性アリソンに憧れていたが、まったく相手にされない。 それを仲間からもからかわれる始末だった。 その後の展開は違うが、これはまるで「ファウスト」である。 憧れの女性アリソンと仲良くなれると信じて、彼は不安のうちにも悪魔と契約を結ぶ。 金持ちで権力者、しかもアリソンと結婚という望みは、コロンビアの麻薬王になってかなう。 しかし、アリソンと結婚してはいるが、彼女は英語教師と不倫の最中。 挙げ句の果てには英語教師と家出してしまう。 しかも、手下の反乱により命を狙われる。 こんな生活は嫌だと、慌てて現実に戻る。 次々に願いは叶うが、どこかずっこけた話ばかりで、結局アリソンとは仲良くなれずじまい。 5つ目の願いから醒めたとき、魔術によってどんな望みが実現しても手応えがなく、結果ではなく自分で実現する過程が大事なのだと悟る。 悪魔との契約は解除できないはずだったが、無私の行為が契約を解除するのだとかで、彼は悪魔から自由になる。 もうアリソンにも、それほどの未練もないし、バカにしてくる友人にも、自信を持って接することができる。 かなりお金のかかったB級映画だが、特別にひねった主題が隠されているわけでもなく、なぜこんな映画ができたのか不思議な感じがした。 マドンナ役の女性が、小柄で可愛いタイプというのは、わが国の映画などでも同じである。 こうしたタイプをマドンナに据えるのは、もう古いパターンだろう。 今もてる女性というのは、もっと自立心に溢れた女性だと思う。 アリソンより、悪魔をやったエリザベス・ハーレーの方がずっと魅力的に見える。 もっとも、自立心に溢れる女性は強く見えるから、内気な男性はアプローチできなくなり、ますますもてなくなると言うのかも知れない。 黙っていても誰かが紹介してくれるお見合いという制度は、大多数のもてない男女にとって歓迎すべきものだったと言うことか。 「Bedazzled」という原題で、混乱もしくは盲目によって完全に迷ういう意味らしい。 2000年のアメリカ映画。 |
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