タクミシネマ            フリントストーン2/ビバ・ロック・ベガス

フリントストーン−2   ビバ・ロック・ベガス
    ブライアン・レバント監督

 「フリントストーン/モダン石器時代」の続編であるが、設定が面白かった前作と違って、すでに知ってしまった設定だから面白さは半減である。いやそれ以下かも知れない。柳の下の二匹目のドジョウを狙った企画は、往々にして外れることが多いが、ご多分に漏れなかった。キャストも一新し、お金がかかっているのに面白くない。


 劣等生の宇宙人が、愛情告白の方法を観察せよと、地球へと追放になる。これ以降は地球での話。しかし、この宇宙人と地球上での出来事が上手く絡んでいない。いきなり原始時代の話になってもまったく問題はないし、宇宙人がその後の物語に、ほとんど役に立っていない。

 人は良いけど、とんまなフレッド(マーク・アディ)とバニーのコンビは、恐竜クレーンアカデミーを卒業した。しかし、何かむなしい。それは恋人がいないことだ。恐竜時代は、一握りの金持ちが高台に住み、優雅な生活をしていた。金持ち階級の中から、一人の若い女性がそこを抜け出して下界に降りてくる。お姫様が庶民の生活に入ったようで、彼女は戸惑うことばかり。貧乏な人だと勘違いした人の良いウェイトレスが、彼女の面倒を見る。その彼女に恋するのがフレッドで、バニーはウェイトレスと仲良くなる。

 お姫様の持参金目当てに、彼女と結婚して身の安全を図りたい男(スティーブン・ボールドウィン)が、しつこく彼女を追ってくる。その舞台がラス・ベガスならぬ、ロック・ベガスである。ミック・ジャガーもどきが登場したり、それなりに工夫はしてあるのだが、まったく面白くない。設定の面白さだけで見せる映画、つまり訴えるべき主題のない映画というのは、簡単に飽きられる。この映画も、第一作こそ主人公のキャスティングに妙を得て、それなりに面白かったが、この作品は駄作の一語い尽きる。前作のイメージを引きずりすぎて、何の冒険もできず、失笑を買うだけである。

 金に面眩んだ男との結婚話と言い、フレッドが一度は欲にこける話と言い、平凡に過ぎる。この映画は、多くのお伽噺を下敷きにしているのは良く判るし、こうした話がアリだというのも理解できる。しかし、お金をかけて作品とする以上、いくらかで良いから新しい驚きを与えて欲しい。

2000年のアメリカ映画。


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