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「ひみつの花園」を撮った矢口史靖監督の次作が、この「アドレナリン・ドライブ」である。 ところが、死んだと思っていた暴力団員が生きており、取り返しに追ってくる。 また、その子分達が別働隊とし、その金を追ってくる。追いつ追われつの道中を、映画は追っていく。 鈴木も佐藤も、それまでの仕事を辞め、逃走旅行に出る。 それを追う暴力団員達とのドタバタ・コメディなのだが、前作のテンポ、卓抜したアイディアなどが見られず、残念ながら平凡な作品になってしまった。 新品の救急車を川に沈めたり、バンを燃やしたり、明らかに前作よりお金がかかっている。 しかし、お金がかかっていると言うことは、口を出す人もそれだけ多くなっていると言うことなのだろうか。 彼には映画監督としての才能があるのに、映画を撮る以外の仕事が大きく彼にのしかかってきているのだろう。 ドタバタ・コメディは、偶然、また偶然、奇想天外の展開で良いのだが、この映画はそれがない。 面白かったのは、唯一、お金をコインランドリーで洗うところくらいである。 レンタカー屋に勤める鈴木と看護婦の佐藤と言う設定は良い。 しかし、鈴木とその上司が車にのっている最初のシーン、まずこれが長すぎる。 鈴木の性格描写だったにしても、もっと簡単に済ませるべきで、上司は後半には登場しないのだから、さらっと流して良いはずである。 佐藤の方は後半への繋ぎもあるから、この程度に描きこまないと判らないと思うが、引っ込み思案の前半から後半への変身が劇的ではない。 大金を手に入れたから、暴力団に追われるのが主題ではない。 大金を手に入れて、今までと変わらない生活をすると佐藤に言わせる。 生き返った暴力団員と看護婦の婦長をのぞいて、前作に比べて、全体に演技がされておらず、役者達が下手だった。 | |||||
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