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大学でテロリズムについて教えるマイケル(ジェフ・ブリッジス)は、三年ほど前に奥さんを亡くしている。 奥さんはFBIの捜査官で、捜査に行ったとき、撃ち合いになって殺された。 しかも、その捜査というのが、銃器を100挺も仕入れたので、危険人物と見なしての内偵だった。 しかし、相手はまったくの無実であり、FBIの見込み捜査による勇み足だった。 いわば空振りの捜査で、奥さんは死んだのだった。
傷心のマイケルは、残された子供グラントと二人暮らしだったが、新しい恋人ブルック(ホープ・デイビス)ができていた。 調べれば調べるほど、マイケルには怪しげな空気を感じるが、ブルックはじめ他の人たちは他人のプライバシーを調べるのは犯罪だと言って取り合わない。 ブルックが事故死したと勘違いしたマイケルは、絶望に打ちひしがれる。 この映画はマイケルを犯人に仕立てるために、延々と展開されるのである。 この映画は、アメリカで頻発している爆破事件やテロ事件が、一人の犯人の単独犯だとされて、それで皆が安心してしまう事に対する批判である。 隣人たちとの接触が希薄になり、隣は何をする人ぞの世の中で、地域の防犯力が下がっている。 凶悪犯罪を撲滅するために、共同体的な絆を復活することは、共同体が持つマイナスの面をも復活させてしまうことである。 二人の大人と三人の子供、計五人のラング家の人たちを、どこか暗い影のある人たちとして描いていたのは、上手い演出だった。 イントロのタイトル・バックは、空を黒く建物を白く反転させた画面で、虚構と化した現代の郊外住宅を表現している。 映画としてはちょっとと思ったのは、爆発事件の犯人たちの動機が、「天の天使」による実行だと言っていただけで、きちんと説明されていなかった。 1998年のアメリカ映画 | ||||||
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